新一万円札発行記念 千葉・旭市で渋沢栄一ゆかりのクスノキ14日から一般公開へ
7月3日に発行される新一万円札に近代日本経済の礎を築いた実業家、渋沢栄一(1840~1931年)の肖像画が描かれたことを記念したイベントが千葉県旭市で始まる。渋沢は生涯で2回は旭の地を訪れたといわれる。その際に記念植樹され、最近まで防風ネットで覆われていたクスノキが14日から一般に公開される。学校給食でも渋沢にちなんだメニューが登場する。 【写真】7月3日から発行される1万円札、5千円札、千円札の表面の見本 クスノキは大正7(1918)年9月22日に渋沢が地元の商業組合に招かれ、旭町尋常高等小学校(現・旭市立中央小学校)で講演した際、植えられた。平成2年度に市内の中学校に移された。さらに、20年度に旭文化の杜公園ふれあい広場に移植された。 だが、年とともに傷み、弱っていた。樹木医が診断し、令和3年度からは養生のための防風ネットを周りに張り、殺虫・殺菌処理も施し、守ってきた。 現在の幹回りは約3・4メートル、高さは7メートル超ある。近は枝も伸び、樹勢は回復しつつある。 そこで、市は新札の発行に合わせ、7月15日まで正面のみネットを外し、限定公開することを決めた。 市役所では14~23日に渋沢栄一メモリアル展を開き、100年前の当時の講演内容や写真を公開する。 イベント会場の県東総文化会館でも14日から、年譜などで渋沢と旭市との交流がパネルで紹介される。旭市図書館には関連図書のコーナーが設置される。 市内の小中学校では7月2日、新札発行にちなみ、渋沢が生前、好んで食べたとされるサツマイモが入ったご飯や、新札をデザインしたノリなどが学校給食に並ぶ予定だ。