カワサキ「Z2」再生 なんだか遅い!? 試運転で見えた気になるポイント~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol,2
試運転で気が付いたひとつに、バックミラーのビビリ=微振動がありました。カワサキZ2タイプと呼ばれるミラーには、純正部品や社外部品にも様々なタイプがあります。純正部品のミラーには、ボディの内側に大きなウエイトが仕込まれていて、そのウエイトがバランサーの役割を果たして振動を打ち消し、走行中のバックミラーの微振動が、極力無くなる(完全には消えない!?)仕様に作られています。 サードパーティーの社外部品の中にも、純正部品と同様のミラーウエイトを備えた上質ミラーはありますが、多くのミラーがデザインのみを複製していて、ウエイトを装備していない商品が多いようです。おそらく試乗したZ2にも、そのようなバックミラーが装着されていたのだと思われます。たいしたことではありませんが、実際に走ってみないとわからないことは、数多くあるのです。
エンジンコンディションは機器測定でも判断できる
バイク屋さんからトランポにバイクを積み込み、自宅へ戻ってから初試乗しましたが、おおむね「グッドコンディション」だとわかってひと安心でした。バックミラーはそのうち交換すれば良いですが、もうひとつ気になったことがありました。それは「遅い……」ことでした。
当時のナナハンが現代のオーバーリッターモデルやスーパースポーツモデルと同じような走りをするはずが無いとは理解できますが、それでも遅く感じてしまいました。それでもZ2が良い!! ナナハンが良い!! と憧れるユーザーが多いのは理解していますが、70年代当時にZ2-A4型を所有し、それなりにチューニングして楽しんでいたぼくにとっては、このパワー感は何とかしたいものでした。
当時、先輩のタイガーZ2は、ヨシムラ860(69mmピストンキット)を組み込んでいて、そのトルク感は自分のナナハンとはまるで違っていました。また、バイクパーツショップで知り合った方が所有していたZ2-D1型は、モリワキチューンの1000ccエンジンが搭載され、ダイシン製の特注4イン1エキゾーストを装備したフルチューン仕様。試乗させていただくと、文字通り「ロードゴーイングレーサー」そのものだった記憶があります。 激しいチューニングを実践する気などさらさらありませんが、バランス良くパワーアップしたい、というか、トルクアップしたいのが、初試乗しながら、ぼくが妄想した唯一のことでした。この試乗で、エンジンに手を加えようと決意しましたが、その前に、現状エンジンのコンディションが、どの程度のものなのか「コンプレッションゲージ」で測定してみましたが……。
バイクのニュース編集部