香港、AP通信ジャーナリストの入境拒否-報道の自由巡る懸念に拍車
(ブルームバーグ): 香港がフランス人フォトジャーナリストの入境を拒否した。香港における報道の自由を巡る懸念をさらに高める可能性がある。
現地紙の明報は情報源を示さず、入境拒否があったのは今月で、同じジャーナリストのビザ(査証)更新申請を今年先に却下した決定に従ったものだと報じた。
米AP通信の広報担当によれば、このジャーナリストはルイーズ・デルモット氏。同氏は昨年、中国に批判的な論調で廃刊に追い込まれた香港紙・蘋果日報(アップル・デーリー)の創業者で裁判のため勾留中の黎智英(ジミー・ライ)氏を収容施設の外から撮影した。
今年に入り、黎氏の裁判を監視するため香港を訪れようとした国際的なジャーナリスト団体「国境なき記者団」のスタッフや休暇で中国本土から香港に入ろうとしたドイツ人活動家の入境が拒否されている。
APの広報担当はデルモット氏について、「有能なジャーナリストで、APのために彼女が香港で行ってきた重要な仕事に誇りを持っている」とコメント。APは香港での活動を継続しており、次のステップに向けデルモット氏と協力していると明らかにした。入境拒否の理由は伝えられていないという。
香港入境事務処は個別の事案にはコメントしないとし、「法律と政策に従って行動している」と説明。香港の李家超行政長官は24日の定例記者会見で、この問題の詳細に触れず、当局はケース・バイ・ケースでビザを発給していると語った。
原題:Hong Kong Denies Entry to AP Reporter Who Photographed Jimmy Lai (抜粋)
--取材協力:Alan Wong.
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Rebecca Choong Wilkins