『PUBG』生みの親の新作は惑星サイズのマップを自動生成するオープンワールドサバイバルゲーム! 理想の実現に向けたふたつのプロジェクトが発表
バトルロイヤルゲームの金字塔『PUBG』(PlayerUnknown's Battlegrounds)の生みの親である、“PlayerUnknown”ことブレンダン・グリーン氏。同氏が独立して設立した自身のスタジオPLAYERUNKNOWN Productionsで開発を進める新作プロジェクトの新たな情報が明かされた。 【記事の画像(8枚)を見る】 まず本日より、惑星サイズのマップを機械学習による自動生成で生み出す技術”Melba”を使ったインタラクティブな技術デモ”Preface: Undiscovered World”をSteamで公開。一方で、シングルプレイのサバイバルゲーム”Prologue: Go Wayback!”のアーリーアクセスを2025年第2四半期に開始する予定だという。 このふたつのプロジェクトは、グリーン氏が目指す究極のゴールである“Project Artemis”を実現するためのステップとなるものだ。Project Artemisでは、サンドボックスな構造(※)の大規模マルチプレイ可能なサバイバルゲームの実現を目指しているという。(※編注: 一般的に、マインクラフトのようにプレイヤーが与えられたツールを通じてマップ環境や他プレイヤーに干渉することで、さまざまなアプローチを可能にするような作りのことを指す) しかし、そのビジョンを実現するまでの道は長い。そこでまずは超広大な空間を自動生成マップで埋めていく根底の部分(Melba)の実証と大規模なテストをPrefaceで行い、プレイ要素に関わるさまざまなハードルはPrologueから始まる合計3本のゲームプロジェクトを通じて詰めていき、すべての成果を融合してArtemisの完成を目指す……という段取りとなっている。 Preface: Undiscovered World(本日配信開始) ・Melbaの機械学習アルゴリズムによりリアルタイムに地球サイズのワールドを生成する技術デモ ・動的に生成されたワールドをチェックし、フィードバックなどを送れる ・興味深い場所はウェイポイントとして登録できる ・ユーザーPCのGPUを使ったローカル生成でありクラウド不要 Prefaceは機械学習による惑星サイズのマップの自動生成を目指すための技術デモ。この段階ではグラフィックの質よりも、地形や植生などがいい感じにバリエーション豊かに出力されるかなどが主眼と言えるだろう。 Prologue: Go Wayback!(2025年第2四半期アーリーアクセス開始予定) ・シングルプレイのオープンワールドサバイバルゲーム ・Melbaによる地形生成を採用しているほか、天候変動などの要素も入っている ・周囲の資源を活用してサバイバルしつつ、シェルターと食料を求めて冒険する ・アイテムや構造物などの修理も要素として入っている ・天候観測所にたどり着き救助を要請するのが最終目標 ・アーリーアクセス開始前にもプレイテストを実施予定 ・本日から製品ページがオープンし、ウィッシュリスト登録可能に Prologueはソロプレイのサバイバルゲームで、天候観測所への脱出を目指す。こちらにもMelbaによる地形生成が入っており、プレイごとに異なる環境でサバイバルできるという。 ブレンダン・グリーン氏はゲーム業界外で普通に働きながら一介のMOD(※ファンコミュニティが開発する拡張)開発者として活動をスタートし、40歳にして『PUBG』製品版のクリエイティブディレクターとして招聘され正式に業界入りするというユニークな経歴を持つ。 同氏がふたたび革新的なゲームプレイを生み出せるかは正直に言って未知数だと思うが、実は『PUBG』の発案にあたって当時オープンワールドサバイバルゲームというジャンルを大きく進化させた『DayZ』から刺激を得たことが知られており(詳細は2018年のグリーン氏の講演リポートを参照のこと)、同ジャンルと関係が深く一家言ある人物であるのは間違いない。気になる人はPrefaceを試したり、Prologueをウィッシュリストに登録しつつ、ウォッチしていくといいんじゃないだろうか。