1時間1000円でおじさんをレンタル!?「おっさんレンタル」でコミケの売り子をお願いしてみたら?包容力と安心感が半端なかった‼【著者に聞く】
「コミケ」は、漫画の祭典「コミックマーケット」の略。世界最大規模といわれる「同人誌即売会」のことである。今ではプロ・アマ、企業・個人問わず、漫画やアニメ大好きっ子が集う人気のコミュニティだ。今回はそのイベントに「おっさんレンタル」を活用したという、いづみみなみ(@idumi_minami)さんのエッセイ漫画「夏コミにて『おっさんレンタル』で売り子をお願いした話」を紹介するとともに「おっさんレンタル」の実用性などを聞いた。 【漫画】おっさんレンタルで売り子をお願いした話 ■1時間1000円でレンタルできる「おっさん」とは一体!? 本作は、いづみみなみさんがコミケに出店する際、「おっさんレンタル」を利用したレンタル体験漫画である。投稿時には6.7万いいねが付き、ユーザーからは「おっさんまでレンタルできる時代なのか。すごい衝撃…」「おっさん、いい人でよかった」「結婚式などでの友人レンタルというのもあるみたい」などの感想が飛び交った。 「おっさんレンタル」なるものがあると知ったのは、友人が発端。そのころ、ストーカーに悩まされていた、いづみさん。粘着質なストーカーは、作品を販売するブースにも7~8割の確率で出現した。ただ売り子に男性がいると遠くから見ていたり、通路を往復して睨んでいくだけで近づくことはなかった。今回も「ストーカーが現れたら…」という悩みから、「おっさんレンタル」を利用することにしたという。 ホームページにいくとさまざまな「おっさんのプロフィール」が掲載されている。経歴を見ると、経営者、カウンセラー、社長など、そこそこ社会的地位のある“おっさんら”が並んでいる。利用方法は、この中から「好みのおっさんを見付けたら、ポチッとするだけ」であるが、おっさん選びに悩んだいづみさんは、オペレーターシステムでセレクトすることにした。 電話でやりとりをし、先方からおすすめのおっさんが提案される。そんな至れり尽くせりなシステムに、漫画では都度都度細かな心理描写も描かれる。そして本番、当日。いよいよ、売り子として雇ったおっさんと初対面!コミックマーケットという慣れない会場で、おっさんはどう活躍してくれたのか?詳細はぜひ、本編で――。 ■見た目は優しそう!作業も率先してやってくれるし、話し相手にもなってくれる 「おっさんレンタル」は2016年テレビドラマ「ゆとりですがなにか」で知名度が上がり、その後コロナをきっかけに「誰かと話したい」と、利用する人も増えたようだ。今回は、いづみさんに実際に利用してみた感想を聞く。 ――漫画にも描かれていますが、「おっさんレンタル」を利用することになったきっかけは何ですか? 数年間ストーカー被害にあっていて、事態がより深刻になりそうだったからです。若い男性に売り子を頼んだこともありますが、あまり効果がなかったので、別方面の対処方法を考えました。 ――「おっさんレンタル」を初めて聞いたときはどんな気持ちでしたか? まったく意味がわかりませんでした(笑)。冷静になると、これほどわかりやすいワードはないのかもしれないのですが、どこか現実離れした響きがありましたね。ネットで検索して、実在しているのを確認したときは、びっくりして声が出ました。 ――最初の「おっさんレンタル」の井上さんは、漫画では見るからにいい人そうでした。利用してみていかがでしたか? とても親切でいい方で、力仕事なども率先してやってくれたり、雑談も気さくに応じてくださって感謝しています。 ――そのあとも「おっさんレンタル」を利用されたようですが、感想はいかがでしょうか? 「レンタル」という制度であることが「とてもいい距離感だな」と感じました。同人誌即売会の売り子さんの場合、お金のやりとりや重い荷物を管理したりなど、かなり大変な作業も多いと思うのですが、おっさんレンタルの場合は、時間制でお願いできますし、割り切って必要なことをお願いできるので、何度もリピートしました。また、私の場合は事情が事情でしたので、それをわかったうえで会社を通して依頼し、承諾していただいているのも安心感ありました。 ――そのほかにどのような漫画を描いていますか? 商業では、ギャグ、ラブコメ、監獄百合漫画、異世界ものなど、いろいろな漫画を描いていますが、主に描いているのはストーリー漫画です。Xでは、エッセイ漫画を発表したりもしています。 公式よると今年行われた夏のコミケは26万人を動員し、大盛況に終わった。話し相手や相談事に利用する人が多い「おっさんレンタル」。ユーザーもコミケの売り子にという発想はなかったようで、「1時間1000円は意外と安い」「男手が欲しいとき助かる」などの声が。そんなときにも大活躍、間違いなしだ。 取材協力:いづみみなみ(@idumi_minami)