水原一平の犯行に米メディア本音「我々は最悪のことをしていた」「バレロはどこに行った?」なぜ大谷翔平に厳しかったのか…一変の現地報道まとめ
「代理人とアドバイザーをクビにすべき」
しかしそれでもまだ、厳しい指摘はある。 前出のプラシュキー氏は同じ記事の中で「オオタニは史上最高の野球選手になるため起きている時間のほぼすべてをそれに集中しているのは明らかで、自分の人生のそれ以外の部分にはほとんど注意を向けていない。そうなのだ、それが問題なのだ。自分のお金に無関心な金持ちの男って、まさに子供ではないのか」と論じている。さらに厳しく一刀両断にしているのが、大谷の代理人を務める大手事務所CAAのネズ・バレロ氏とその周辺のスタッフだ。水原容疑者が不正アクセスしていた大谷の口座について、バレロ氏や財務アドバイザーがチェックできなかったことについて「オオタニのビジネスチームが、口座を放置していたことが信じられない。オオタニのアドバイザーたちは、アドバイザー史上最も弱腰で存在価値がない者たちだ。代理人と危機管理担当広報をクビにし、チームを完全に入れ替えるべき」と主張した。
「バレロはどこに行ったのだ?」
敏腕記者で知られる米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール氏も4月12日付の記事でこう書いた。 「ミズハラだけが、オオタニを失望させたわけではない。バレロはどこに行ったのだ? 代理人は通常、経理面の管理はしない。契約交渉と金銭管理は別分野だ。しかしミズハラがバレロや他のアドバイザーに口座情報開示を拒否したら、それは警報サインが出ているということではないのか? もしオオタニを不機嫌にさせることになれば、他の代理人のところに行ってしまうとでも思ったのか?」
身代わり説の「陰謀論」も…
バレロ氏を中心とした「大谷のビジネスチーム」に猛省が求められている一方で、米国ではメディアやファン、SNSユーザーも自省するべきとの声も上がっている。大谷が被害を被った今回の違法賭博と不正送金事件は、不明な点があったことから多くの憶測を呼び、「オオタニの身代わり説」などの陰謀論がSNSを席捲していた。米メディアでは野球賭博で永久追放されたピート・ローズを引き合いにだして大谷が語られることも1度や2度ではなかった。 FOXスポーツでパーソナリティを務めるジェーソン・フィッツ氏はそんな騒動を振り返り、4月12日の放送でこう語った。 「我々は数週間もの間、まったく何の証拠もない中でオオタニとローズを同じ文脈で語っていた。まったく最悪のことをしていた。なぜか? 何も知らない事象に対して自分勝手なロジックを当てはめるからだ。ショウヘイについては、もっと情報が出たときに事実だけを伝えるべきだった」
捜査発表が「異例の早さ」の背景
米専門メディア「ベースボール・プロスペクタス」も同日の記事で「今回のことは憶測というモラルハザード(道徳的節度がなくなることによる弊害)を考えさせられた。いつか、疑問を呈することと憶測を垂れ流すことを混同しない時代がくるといいが」と論じている。 水原容疑者のことは大谷にとってはショッキングで辛い出来事だっただろうが、社会にとっては一石を投じる出来事にもなった。大谷の社会的影響力は米国でもそれほど大きい。通常は年単位の時間がかかるといわれていた連邦捜査機関の捜査結果が異例の早さで出たことも、その影響力の大きさゆえだろう。
(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)
【関連記事】
- 【写真で比較】「頬がこけて…水原さんが1年前とまったく違う」「大谷翔平に戻った笑顔…なぜか泣ける」ベンチで1人ポツリだった韓国シリーズから最新の様子まで現地写真を一気に見る(100枚超)
- 【あわせて読む】水原一平氏の通訳能力、米でのリアル評はどうだった? 在米プロ通訳者が分析「水原氏は憑依型」「並の通訳ではない」後任との最大の違いは…
- 【ウラ事情】水原一平に託されていた“本当の仕事”… 「大谷翔平のインタビュー調整も」異変はいつ起きていたのか
- 【米名物記者の本音】大谷翔平の“ビックリ発表”に「なかなかやるなと」電撃婚から水原一平氏騒動まで“どう見た?”
- 【大谷「そんな人は信用できませんよ」】番記者が“唯一本気で怒られた日”…「節度を持った取材、できているか?」