富裕層の申告漏れ980億円、過去最高の理由2つ 配信者・インフルエンサーの申告漏れも摘発
富裕層の申告漏れが過去最高額を更新した理由2:海外投資等に対する税務調査を積極的に実施
富裕層は日本以外の場所に資産を有していることも多く、海外投資等も行われています。 海外投資や海外への資産移転が租税回避目的として利用されていることもあることから、世界各国が情報共有するなどして取り締まりを強化しています。 国税当局は、国外送金等調書や国外財産調書だけでなく、租税条約等に基づく情報交換制度等を活用して情報を集めています。 申告漏れが把握された場合には税務調査で指摘を受けることになりますし、実際に取り締まりの強化が数字上でも成果として現れています。 参照: 令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁) 平成30事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁)
配信者・インフルエンサーの申告漏れも摘発されている
個人でもSNSや動画配信サービスを利用して、多額の利益を得られる環境が整えられており、有名なインフルエンサーであれば億単位の収益を獲得していることもあります。 ただ個人は企業と比べて税に対する知識が乏しいことが多く、違法な手段で税金を納めないケースも増えています。 インフルエンサーは知名度が高いことはもちろんのこと、社会的影響もありますので、国税当局は申告内容の適否を重点的にチェックしている可能性が高いです。 実際、インフルエンサーが脱税を指摘され、多額の重加算税を納めた事例も発生していますので、確定申告が必要になる方は偽りなく申告手続きを行ってください。 《平井 拓》
平井 拓