【試乗】軽量コンパクトながら高い収納力のアクシスZ。快速コミューターとして完成度高し!
「アクシスZ」は軽量で取りまわしやすい車体に、燃費性能と走りの楽しさを両立した空冷124cm2BLUE COREエンジンを搭載して、2017年に国内発売された。2022年にエンジンを平成32年排出ガス規制に適合させ、静粛にエンジン始動できるSMG(Smart Motor Generator)、リヤブレーキをかけるとフロントブレーキが連動するUBS(Unified Brake System)などを採用して装備を充実。2017年の発売以来、使い勝手のいいコミューターとして支持されている。 【画像】ヤマハ・アクシスZの足つきやディテールをギャラリーで見る(18枚) 文/Webikeプラス 小川浩康 写真:コイズミユウコ
コミューターとしての使いやすさを重視した作り込み
「モダン&アクティブ」をテーマにデザインされた車体には、シャープなラインを織り込んで軽快なイメージとしている。実際に車重は100kgと軽量コンパクトながら、フロントポケット、コンビニフック、シート下収納、ヘルメットホルダーなどを装備。前後ホイールは10インチと小径で低シート高と取りまわしやすさに貢献し、空冷BLUE COREエンジンは51.9km/Lとヤマハ125ccスクーターでトップの燃費性能も実現。アクシスZは、コミューターとして市街地で取りまわしやすく、通勤や買い物で便利な収納力を持ち、高い経済性も兼ね備えた作りとなっている。
スムーズな加速でストレスなく移動できる
クランクシャフトを直接回転させるSMGのおかげで、セルスイッチを一押しするだけで静粛にエンジンがかかる。アイドリングではハンドルグリップから若干振動が伝わってくるが、走り出してしまえば振動は気にならない。 最高出力8.3PS/7000rpmとピークパワーは控えめだが、最大トルクは1.00kgf・m/5000rpmと実用域で太さがある。そして車重が100kgと軽量なので、実際にスロットルをそれほど開けなくても、スルスルと加速していく。前後10インチホイールは小径ながら直進性もよく、状態のいい舗装路ではクセのないハンドリングで操作性もいい。フロントブレーキはディスクらしくカチっと制動力が立ち上がってきて、コントロールしやすい。リヤブレーキをかけるとフロントブレーキも連動するUBSは、前後配分が適切なのでカックンブレーキになりにくい。 フロアはタイトだが、着座した位置からハンドルグリップまでの距離が近すぎず、車体はコンパクトでもライディングポジションに窮屈さはない。しかし、タンデムシート部分が高くなっていてお尻を後ろに移動させにくく、ずっと同じ位置に座りがちになる。長距離や長時間では窮屈さを感じるかもしれない。また、前後サスは状態のいい舗装路ではフラットな乗り心地を提供してくれるが、荒れた舗装路やギャップでは衝撃を吸収しきれず、身体に伝わってくる。アクシスZは舗装状態のいい路面を短時間移動するコミューターとして、ストレスを感じない乗り味に仕上げられていると思った。