巨人・グリフィン、来日最多12K直近防御率0・38 2つの魔球解禁で「相手は絞りづらくなった」
◆JERA セ・リーグ 巨人1ー2広島(29日・東京ドーム) 左のエースと呼べる快投だ。8回2死。グリフィンは会沢をフォークで空振り三振に斬ってベンチへ戻ると、歩み寄って来た阿部監督とガッチリと握手を交わした。「調子は良くて、自分の仕事はできた。残念なのは先制点を与えてしまったこと」と3勝目はならずも、8回2安打1失点。相手の先発全員から奪った三振は来日最多の12を数えた。 【動画】力投するグリフィン 来日最多12Kを奪った 2回に連続長短打で失点し、自身の連続無失点は17回2/3で止まったが、その回以外は無安打投球。最速150キロの直球にカットボールなど多彩な変化球で相手を幻惑した。ここ3登板は全て7回以上、計23回2/3を1失点のみで防御率0・38。「(来日後)投げていなかった2つの球を投げるようになったのが大きい。ストライクを取れているし、相手打者は絞りづらくなったのでは」と自己分析した。 その2球種は復活を遂げた2登板前の15日・日本ハム戦(エスコン)から駆使するスライダーとチェンジアップ。スライダーは約17%の割合で、効果的に使った。自ら取り入れており、村田総合コーチは「自分の中でも変化しようというのがすごくある投手。昨年もツーシームを覚えてみたりもしていた」と証言する。 間も良い さらに15日から投球時に右脚を上げる時間を長くしているのも、向上心を持って首脳陣の意見にも熱心に耳を傾ける姿勢があるから。杉内投手チーフコーチも「間も良くなった。去年のままではいけないのは分かっているはず。受け入れてやってくれている」と目尻を下げた。 「何でも変えられるものは変えたかった」とグラブも同日から変えて好投を続ける助っ人。指揮官は「ナイスピッチングでしたし、代え時が難しいくらい頑張ってくれていた」と評価した。「チームの勝敗が一番大事。自分に勝ちが付く、付かないは全く気にならない」とナイスガイぶりも見せたグリフィン。夏場へ向けても、その存在は頼もしい。(田中 哲) 【記録室】 巨人先発のグリフィンは8回を2安打、1失点に抑えて12奪三振。来日2年目で自身初、チームでは今年初めての2ケタ三振を奪う好投も、白星は手にできなかった。 打線からの援護は8回の1点だけ。7試合以上に先発した巨人投手で登板中の援護点を見ると(カッコ内は9回換算の1試合平均) 先発 投回 ―援護点 14戸 郷 95 2/3―30(2.8) 12山崎伊 82 1/3―38(4.2) 10菅 野 64 ―20(2.8) 9高橋礼 43 1/3―19(3.9) 7堀 田 34 2/3― 6(1.6) 7グリフィン43 ― 9(1.9) 堀田とグリフィンの少なさが目立つ。 特にグリフィンは6月の4試合で28回2/3を4失点、防御率1.26。才木(神)の32奪三振を上回る36三振を奪い、今月はセ・リーグの最多奪三振ながら、4試合で打線の援護は0201点の計3点だけ。この間に1勝1敗と、なかなか勝ち星に恵まれない。(阿部 大和)
報知新聞社