乱立!価格競争激化で淘汰が進む「フィットネスクラブ」…トレーナーの知識不足で全治1ヵ月の事故も
重要なトレーニング時の「安全限界」や「有効限界」の認識
「安全限界」や「有効限界」については、国民生活センターが「『パーソナル筋力トレーニング』でのけがや体調不良に注意!」と題したサイトで解説している。安全限界は、これ以上の運動は危険という運動強度や運動量の限界。有効限界は、これ以下の運動強度や運動量では効果が得られないという限界。このサイトは次のように、国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」に寄せられた情報も載せている。 スポーツジムでパーソナルトレーナーに筋力トレーニング指導を受けていた消費者が、前屈位の状態で重量のあるバーベルを上げるトレーニングをしていたところ、腰椎骨折などの全治1ヵ月以上を要する重症を負った。 この国民生活センターのサイトは「パーソナルトレーナーとは、単にマンツーマンのトレーニングを指導する人ではなく、あなたに合った運動のやり方の選択肢を示して、伴走してくれる人であり、最終的にはご自身に合った方法を自分の意思で選択していくことが重要です」とアドバイスしている。 松村さんは「パーソナルジムが増えている」と指摘し、そこにいるトレーナーが専門団体の資格をとり、継続的な教育を受けていることが重要と強調する。 老若男女を問わず、健康の維持増進は大切だ。若い人は筋力をつけたいだろうし、シニアは健康寿命の延伸のためにも筋力を維持したい。フィットネスクラブの施設が身近になり、さまざまなサービスの提供もあって、利用しやすいのはありがたい。 一般の利用者は施設やトレーナーなどを選ぶのに、料金や見栄えに目を奪われがちになる。しかし、安易にトレーニングすればいいものでもなく、人それぞれに、自分に合ったやり方がある。業界にはクラブやトレーナーなどの関係団体がいくつかあり、安全や安心につながる取り組みを続けている。そうした関係団体との連携にも目を向け、施設やトレーナーを選んでみてもいいかもしれない。 取材・文:浅井秀樹
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