スバル「クロストレック」の始祖「インプレッサ スポーツワゴン グラベルEX」とは?「RVカー」お約束アイテム満載の遊び尽くすためのクルマでした【カタログは語る】
スポーティなハンドリングを実現していた
なおこの時代のスバル車らしく、4WDについてはAT車にはVTD-4WD、MT車にはビスカスLSD付きセンターデフ方式と、それぞれに使い分けられていた。前者は通常35:65のトルク配分とし、後輪に多くのトルクを配分することでスムーズな回頭性、スポーティなハンドリングを実現する。後者は通常50:50の配分とし、前後輪に回転差が生じた場合にLSDを瞬時に働かせ走行状態に応じて最大のグリップ力を確保し、スポーティドライビングに応えたもの……とカタログでも説明されている。 そのほかにフロントを2ポットとした4輪ディスクブレーキや7+8インチタンデム倍力装置、4センサー・4チャンネル方式のABS(メーカー装着オプション)などを設定。サスペンションは4輪ストラットとし、サスペンションストロークをとった専用とし、最低地上高はベース車より30mm高められた185mmの設定としていた。
当時のRVのお約束といったアイテムを装着
外観ではフロントプロテクターと呼ばれるグリルガードに目がいくが、よく見ると「GRAVEL EXPRESS」のレタリングが入っており、それはリアのスペアタイヤカバーも同様。ほかにフロント側では丸型の大径フォグランプ(カバー付き)をはじめ、アンダースポイラー、サイドシルガード、リアスプラッシュガード、フロント&リアフェンダーガードといった、当時のRVのお約束といったアイテムを付加した出で立ちになっていた。そのほかにルーフスポイラーも装着、タイヤは205/60R15 91Hサイズで、5本スポークながらWRXとは異なる専用デザインのアルミホイールを装着している。 他方でインテリアでは、装備としてはナルディ社製の本革ステアリングホイールや本革巻きATセレクトレバーまたはマニュアルシフトノブを装着。シートに関してはWRXのようなモールドタイプのバケットではなくローバックで表皮の柄も大人しめのものが採用されていた。6:4分割可倒式リアシート、マルチトノカバーなどは標準で、ワゴンとしての機能性、使い勝手のよさは確保されていたほか、このグラベルEXはスペアタイヤをリアのキャリアにマウントすることから、ラゲッジルーム床下にスペースができ、そのことをカタログでは「大型サブトランク」と謳っている。