Bリーグ・アルバルク東京が小学校で「応援のあり方」特別授業 プロスポーツが提供する“無形の価値”
社会的つながりを強化する“無形の価値”を提供
「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。 堤礼実キャスター: スポーツの応援での道徳授業の意義をどうご覧になりますか。 エコノミスト・崔真淑さん: とても素晴らしい取り組みだと思います。というのも、プロスポーツの存在は経済効果だけでなく、公共の社会資本を作る効果もあると各種研究で報告されているんです。具体的には、地域住民に娯楽や誇りを提供するだけでなく、その地域の社会的なつながりを強化する、無形の価値が提供されるということなんです。 なので今回のように、大人だけでなく地域の子どもたちも巻き込んだ取り組みは、そうした効果をさらに大きくさせるのではないかと期待しています。さらには、こうした取り組みが、巡り巡って地域の経済効果にもつながるんではないかと期待しています。
スポーツで動く地域経済と成長の可能性
堤キャスター: 具体的には、どのような効果があるのでしょうか。 エコノミスト・崔真淑さん: 大きく2つの効果に注目しています。 一つは、プロスポーツがその地域に存在することで、街づくりやインフラが整うことです。ただ、最近の研究では、スタジアムなどの箱物を作るだけでは経済効果は限定的との報告もあるんです。そこで、注目したいのが、もう一つの効果です。 堤キャスター: それはどんな効果でしょうか。 エコノミスト・崔真淑さん: その地域のプロスポーツチームが、昇格や強くなることによる経済効果です。 例えば国内では、あるサッカーチームが関西リーグからJFLに昇格した時に、相応の経済効果が生まれたことが報告されています。一方で、海外ではヨーロッパのサッカーチームにおける降格が、短期的に地域の雇用や経済成長率にマイナスの影響を与えたことが報告されています。 堤キャスター: チームの成績が地域経済に直接影響を与えるのですね。 エコノミスト・崔真淑さん: そうなんです。プロスポーツの誘致だけでなく、地域住民を巻き込みながらチーム強化を促す施策が経済効果においても重要だということです。 日本のスポーツ産業におけるGDP比率は、2020年時点で1.62%と主要先進国ではそれほど高くなく、まだまだ伸び代は大きいと思いますし、スポーツによる経済波及効果にも今後も注目したいと思います。 堤キャスター: 私自身、小学校にプロサッカーチームの方々が講師として来てくれた時のことを今でもよく覚えています。スポーツを通じて、楽しく助け合いの精神や、応援の力などを学ぶことで、より深い学びにつながるように思います。 (「Live News α」12月23日放送分より)
Live News α
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