なぜ新幹線の「女性用トイレ」は少ないのか?東海道新幹線は半数へ…公共トイレに求める「男女の意識の差」
JR東海は昨年12月13日、今年3月実施のダイヤ改正を発表した。その中で東海道・山陽新幹線で使用している16両編成車両に女性専用トイレを設けることを新たに決めた。 【写真】車のナンバープレートで絶対に「使ってはいけない」4つの平仮名 この発表に対して、SNSでは様々な意見が展開されている。この機会に各種データを用いながら、鉄道ならびに公共トイレについて考えてみたい。
現状「女性用」トイレは半数以下
JR東海によると、16編成車両のうち奇数号車に設置している2箇所の共用トイレのうち、1箇所を女性専用とする。ただし11号車は除く。東海道新幹線は全列車が16両編成なので、全列車に女性専用トイレを設けるというわけだ。 12月から開始し、2025年3月15日のダイヤ改正以降、すべての16両編成車両の車内共用トイレの約半数が女性専用となる。 そもそも、16編成車両にトイレはいくつあるのだろうか。 正解は洋式トイレ15箇所、多目的トイレ1箇所、男性用小トイレ7箇所となる。現状、洋式トイレは奇数号車に2箇所設置されているが、11号車は洋式トイレ、多目的トイレ各1箇所となる。 説明の通りだと、女性洋式トイレになるのは7箇所になる。JR東海のリリースでは「車内共用トイレの約半数が女性専用トイレになる」とのことで、「全てのトイレの約半数」ではない。 全てのトイレを含むと、女性専用洋式トイレが7箇所、共用洋式トイレが8箇所、男性用小トイレ7箇所、多目的トイレ1箇所となる。女性のみが利用できるトイレ、男性のみが利用できるトイレ、それぞれ約3割ということになる。 次に東海道新幹線の利用者のうち、女性客はどれほどだろうか。JR東海によると、女性の利用客が増加し、利用者全体の約半数は女性だという('24年12月13日付テレビ愛知)。「JR東海によると」と明記されていることから、「東海道新幹線の約半数の利用者は女性」と解釈して問題はないだろう。 SNSを見ると「東海道新幹線は男性客ばかりじゃないか」という投稿をよく見かける。私は全時間帯の東海道新幹線を利用したわけではないが、肌間隔として曜日と日時により、車内の男女比は大きく変わるように感じる。 ところで、JR東海エージェンシーによる東海道新幹線利用者の男女比に関するデータが公表されている。しかし、対象者を「東海道新幹線または山陽新幹線を月に1回以上の利用」に絞っているため、ここではあまり参考にはならない。