侍J・牧 V満塁弾!六回押し出しで同点直後に左翼中段ズドン「打てたのはみんなのおかげ」 決勝進出王手
「ラグザス presents WBSCプレミア12・2次リーグ、日本代表9-6ベネズエラ代表」(22日、東京ドーム) 【写真】両監督は何を抗議?珍事に球場騒然「公平に行きましょうと言いに行きました」 2次リーグ第2戦が行われ、日本はベネズエラに9-6で逆転勝ちした。2連勝とし、上位2チームによる24日の決勝進出を大きく引き寄せた。六回、2点を奪って同点とし、なおも2死満塁で牧秀悟内野手(26)が左翼へ勝ち越し満塁弾を放った。先発の才木浩人投手(26)は5回2失点。4番の森下翔太外野手(24)は初回に適時打を放つなど、阪神勢も奮闘した。日本は23日に台湾と対戦する。 観衆は総立ち。牧がバットを放り投げると、両拳でガッツポーズをした。白球の行方を教えてくれた手の残る感触がある。「明日も勝って、勝ちましょう!!」。劣勢ムードを振り払った決勝グランドスラムだ。お立ち台で声を大きく張り上げ、ファンと約束した。 逆転を許した直後だ。まずは同級生の坂倉が1点差に追いつく今大会1号を放つと、その後の満塁機で栗原が押し出し四球を選んで同点。なおも満塁で巡ってきた場面で、牧が1ボールからの甘い変化球を仕留めた。 打球は一直線に左翼席に伸びる。スタンド中段まで運ぶ1号満塁弾で試合を決めた。「勝ち続けないといけない」と自らに課した覚悟を、バットで表現している。 自らの力で幸運のイスに変えてみせた。2次リーグの初戦となった21日の米国戦。打撃練習を終えた牧はベンチで周囲を見渡した。「いつもどこに座っている?」。チームメートの小園に声をかけた。そして入り口付近の席を巡って、「ここ座っていい?」と尋ねた。 流れる和やかな雰囲気に包まれると、「打てなかったら明日は変えようぜ」と続けた。同戦で小園は7打点の大活躍。一方で牧は4打数無安打だった。それでも、この日は同じ席順を継続。験かつぎをするのではなく、自らの力でたぐり寄せた4打点の大暴れだった。 過去2回の国際大会を振り返れば、「あっという間に終わった」。気付いたのは試合への入り方の大切さだった。「そこが合わないと最後まで合わない」と言う。初見の外国人投手を前に、試行錯誤する時間はない。 経験を糧に、歩みは加速するばかりだ。一丸で戦ってきた侍ジャパンの強さがある。「全員でつながった得点だと思うので、打てたのはみんなのおかげ」。一人ではない力の結集で、頂だけを見据えてバットを振る。