仏教美術の名品に目を凝らす来館者＝３日午前１０時半、石川県立美術館

　　●「辟邪絵」に熱視線 　石川県立美術館で開催中の奈良国立博物館展「まるごと奈良博」は3日、後期展が始まってから初の週末を迎え、奈良の至宝をひと目見ようと大勢の人が午前中から訪れた。来館者は後期展から新たに登場した国宝「辟邪絵（へきじゃえ）」などを熱心に鑑賞し、日本の仏教美術史を彩る名品の数々に目を輝かせた。 　後期展では約70点の展示品を入れ替え、国宝4点、重要文化財54点を含む137点が並ぶ。来館者は重文「千手観音像（せんじゅかんのんぞう）」などの前で説明文を読み込んだり、音声ガイドを聞いたりして、じっくりと魅力に親しんだ。 　妻の勧めで訪れたという白山市の会社員松本祐紀さん（59）は「蔵王権現立像（ざおうごんげんりゅうぞう）」が気に入ったとし「さまざまな時代の仏さまから、信仰の奥深さが伝わってきた。仏像を自分から見に行くことなんてほとんどなかったが、来て良かった」と話した。 　まるごと奈良博は「ポスト国民文化祭」の目玉事業で、県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催し、前後期通じて国宝8点、重文93点を含む計205点が展示される。 　期間は25日までで、開館時間は午前9時半～午後6時。18日までの金～日曜は開館時間を拡大する。入場料は一般1500円、大学生千円、高校生800円、小中学生500円。内灘町以北の小中学生は無料となる。