夏目漱石に小泉八雲 村上春樹さんも訪れた老舗・長崎次郎書店が「休業」へ 電子書籍や決済手数料の増加が要因
「閉店」ではなく「休業」の長崎次郎書店
長崎次郎書店を運営する長﨑健一社長は今回、「閉店」ではなく「休業」というワードを使っている。「店舗としては一区切りですが、概念や文化としての長崎次郎書店をこれからも受け継いでいきたい」という思いが込められている。 町の書店が減っている要因としては、本や雑誌の売り上げが大きく落ち込んでいることが考えられる。ネットで様々な情報が早く手軽に手に入るようになったうえ、書籍の電子化が進んだことも一因だ。 業界団体の『出版科学研究所』によると、売り上げが過去最大だった1996年は2兆6564億円だった。それが2023年は1兆5963億円まで減っている。出版物のカテゴリーごとに見てみると、「雑誌」の落ち込みが特に顕著だ。さらに、2020年に全体の売り上げが少し回復したように見えるが、コロナの巣ごもり需要で電子書籍が伸び、書店の売り上げを圧迫する結果になっている。 この問題については国も動き出していて、齋藤健経産相の肝いりで、3月5日に省内横断のプロジェクトチームを設置。中小企業に対する補助金の活用や、事業承継の推進など、『町の本屋を守る』具体的な取り組みを進める考えだ。国が実効性とスピード感のある施策を打ち出せるかどうか今後の動きにも注目したい。 (テレビ熊本)
テレビ熊本