「無洗米」とぐ必要なし 白濁の正体〝でんぷん〟です
昔より簡略化 粒同士を摩擦
普通精米のとぎ方について「昔のようにとがなくてもいい。とぎ過ぎると米が割れたり、炊いた時にべた付いたりしてしまう」。そう答えたのは「五ツ星お米マイスター」の資格を持つ、こだわり米穀店・スズノブ(東京都目黒区)の西島豊造社長。お薦めの米のとぎ方を教えてもらった。 「とぐほど表面が削れて味や食感が損なわれる。力を入れず優しく扱って」と西島さん。最初の工程は「適切な計量」。米の計量カップに、山盛りに米を入れた上で、カップの縁に沿って余分な米を箸などを使って擦り切る。 次は「すすぐ」。米は最初の水を吸い込みやすいので、1回目のすすぎは浄水器を通した水を使う。米よりも多く水を入れて数回軽くかき混ぜ、ぬかやごみを含む水を吸い込ませないよう、10秒を目安にすぐ水を捨てる。これをもう一度繰り返す。2回目以降は水道水でもよい。 「すすぐ」を終えたら、次は「とぐ」。ソフトボールを握るように全ての指を広げて、米をシャカシャカと20回程度かき回す。米粒同士の摩擦で表面をとぐイメージ。 「とぐ」が終わったらもう一度「すすぐ」。水を注いで数回かき混ぜ、水を捨てる。これをもう一度繰り返す。 最後に「水を入れて透明度を確認する」。米が見えにくいほど白濁していたら、「すすぐ」「とぐ」と同様の方法で10回ほどかき回し、2回すすぐ。水が薄く濁る程度になったら完了。 (高内杏奈)
日本農業新聞