「現地にいること」の大切さ

バイナンスはナイジェリアからの撤退を余儀なくされた。他の国の、他の暗号資産会社にも同じことが起こるだろう。アフリカでサービスを提供する暗号資産ビジネスやビットコインマーケットプレイスを運営することは、他の大陸からでは不可能に近い。 問題を発見し、解決策を見つけるためには、現場にいなければならない。グローバルサウスに拠点を持たなければ、銀行口座を持たない人々をサポートするという使命を達成することはできないと私は考えており、だからこそ我々は最初から、NoOnesの拠点をここに置いた。 私は人生の8年間を会社に捧げて、気まぐれで辞めたような狂人ではない。ナイジェリアのことも、グローバルサウスのことも知っている。私の会社はこの地で何年も、活動してきた。我々は今、ここで暮らし、働き、現地の人々の話に耳を傾けている。例えば、我々は現地との調整役に現地のスタッフを雇用した。これが「現場主義」の意味するところの一部だ。 我々はアフリカを、あるいは我々が事業を展開しているグローバルサウスを、手っ取り早く勝利できる場所と見ているわけではない。敬意と公平性に基づいた長期的な協力関係を確立することが要になる。 私はこれまで何千人もの技術に精通したナイジェリアの起業家に会ってきたが、ここでビットコインが高いレベルで普及しているのには理由がある。彼らはあまりにも長い間、不公正なグローバル金融システム、通貨の監獄を作り、経済成長を阻害する金融アパルトヘイトによって阻害されてきた。 ビットコインは、市場が自由でお金の流れが許されているときに何ができるかを示す機会を起業家に与える。彼らが成長するために必要なのは公平な競争の場だけだ。彼らに必要なのは、チャンスと成功への道筋だけだ。 我々の次なるステップは、他の起業家がビジネスを次の段階に進めることを容易にすることだ。バイナンスのナイジェリアからの撤退にもかかわらず、チャンスはたくさん残っている。我々が直面する戦いは厳しいかもしれないが、地球上で最も急速に成長している大陸でのチャンスはそれに値するものだ。 ｜翻訳・編集：山口晶子、増田隆幸｜画像：P2P暗号資産マーケットプレイスNoOnesの創業者兼CEO、Ray Youssef氏（Christie Harkin/CoinDesk）｜原文：What Binance's Exit From Nigeria Means for P2P Bitcoin