バイナンスのナイジェリア撤退、アフリカでのBTCビジネスに与える影響【Future of Bitcoin】
バイナンス(Binance)が3月8日までにナイジェリアでの全サービスを終了すると発表したとき、ナイジェリアの一部の人たちは衝撃を受けた。発表前にすでに規制当局からの監視に直面していたのでが、世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所が、ビットコインの普及において世界で最も急成長している市場から姿を消すとはどういうことかと多くの人たちが疑問に思った。
グローバルサウスが直面する困難
私は今回の事態を何年も前から予測していたので、ショックは受けなかった。グローバルサウスの起業家たちは攻撃を受けており、その最前線は目の前で繰り広げられている通貨戦争だ。 私がグローバルサウスを拠点とするピア・ツー・ピア(P2P)のビットコイン取引プラットフォーム「NoOnes」を設立したのは、暗号資産業界が直面する問題を予見していたからだ。3年前には、私はこの日が来ることを予測していた。 それは、私がアメリカを拠点とするビットコイン企業のCEOであり、金融アパルトヘイトや規制上の問題を間近で見ていたからだ。アメリカの規制当局は、自分たちに都合の良いルールを作り、世界の他の地域の人々にはあまり関心を示さない。私の会社がアメリカに拠点を置いていたのでは、アフリカや他の「グローバルサウス」にサービスを提供することはますます難しくなると考えた。 私の唯一の選択肢は、1000万人以上のユーザーを抱えるビットコインP2Pプラットフォームにまで成長させた、それまでのビジネスを諦めることだった。当時私が目の当たりにした問題は、今まさに爆発的に広がっている。しかし、政府を批判するだけでは前進の道はない。 我々は指導者たちが受けている圧力を理解しなければならない。そうして初めて、我々は指導者たちと交渉のテーブルについて、新たな道を切り開くことができる。現状は、人々が罵り合っているだけであり、それは前へ進む道ではない。 この戦争は、金融システムと、誰のお金が良くて誰のお金が悪いかを決めるレバーをコントロールするパワーに関するものだ。グローバルサウスの起業家たちは自国の市場に閉じ込められており、隣国との決済や取引すら困難だ。 平均的なアフリカの起業家にとって、アフリカ大陸の外に進出して事業を拡大することは事実上不可能。バイナンスがナイジェリアから撤退した今、ナイジェリアを拠点とする企業の中には、次はどうなるのだろうと考えているところもある。 グローバルサウスの起業家が価値を創造する可能性を真に解き放つためには、彼らを育成し、彼らが活躍できる環境を整えなければならない。それは、私が何年も前から提唱してきたこと、つまり、自由な通貨システムを持つことによって自由貿易を保証しなければ不可能だ。それを実現するのは簡単ではない。