【麻辣湯麺】スープも具材も自分で選ぶ「楊國福」の麻辣湯麺が楽しくて美味しい!:パリッコ『今週のハマりメシ』第125回
ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。 【画像】トムヤムクンスープもおいしそう それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。 そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。 * * * 早いもので、ひとり娘がこの4月に小学生になる。そのために必要なものがいろいろとあって、時間を作り、妻と池袋に買いものへ。無事ひととおりが終わったところで、昼食を食べて帰ろうということになった。こういう機会だから、地元の街ではあまり食べられないものがいいと繁華街をうろうろしていると、昨今池袋に増えまくっている、大陸系中華料理店に目が留まる。 「楊國福」という、どうやら「麻辣湯」の専門店らしい。麻辣湯(マーラータン)とは、野菜や肉や麺などの具を煮込んだ、中国四川省発祥のスープ料理。スープも具材も自分で自由に組み合わせられるのが売りらしく、なんだか楽しそうだ。よし、ここに入ってみることにしよう。 スープは、「トムヤムクン」「牛骨湯」「麻辣湯」「トマトスープ」そして汁なしっぽい「マーラー和え」の5種類から選べるようで、悩んだけれども初回ということで、僕はいちばんオーソドックスな麻辣湯を選ぶことにする。店内に入ると、壁一面にどーんと色とりどりの具材たち。 これを透明なプラスチックのボウルに好きなだけよそい、最終的に重さを計って、100gごとに400円という計算になるようだ。肉、練りもの、野菜にきのこなど、これ、単に「重さ」という同じ単位で計算していいものなのだろうか? と思いつつも、そのチョイスに悩むのは楽しい。 麺の種類も、牛すじ麺、米線、さつまいも春雨など、日本人にはなじみの薄いものがいろいろあって、僕は黄色い色が鮮やかな「トウモロコシ麺」を選んでみた。 ただ、店内にはかりがあるわけではないので、けっきょく今どのくらいの重さになっているのかが、いまいちわからない。初めてだからなおさらだ。ここはもう予想でいくしかなく、それでいて、魅力的な具材たちのあれもこれも食べてみたい。最終的に、トウモロコシ麺、ラム肉、ハチノス、センマイ、目玉焼き、ロメインレタス、えのき、山くらげ、パクチー、あと、色味要素としてなんだかよくわからない練りものを選んでみた。ちょっと欲張りすぎたかな? ボウルを受付に持っていくと、およそ1500円だという。あ、やっぱりけっこういっちゃったな、と思ったら、「麺を少し減らすとサービスで安くなるけど、そうするか?」的な質問をされ、あまり意味がわからず「はい」と答えると、金額が1000円ちょっとになった。その時はよくわかっていなかったんだけど、どうやら総量が1000g以上になると、好きな麺80gはサービスになるらしく、親切なことにそれを適用してくれたということだろう。 さて、自分の選んだ食材がどんな麺料理に生まれ変わってやってくるのかわくわくしつつ、冷蔵庫から瓶ビール(600円)を出してきて、飲みながら待つ。