【麻辣湯麺】スープも具材も自分で選ぶ「楊國福」の麻辣湯麺が楽しくて美味しい!:パリッコ『今週のハマりメシ』第125回
するとものの数分で、自分の選んだ食材だけで構成された完全オリジナルな麻辣湯麺が到着。 おぉ、色合いのバランスといい、アクセントの練りもののポップさといい、なかなか完成度の高い1皿になっているんじゃないか? と嬉しくなる。好みの違いか、練りもの多めで、ベースがトムヤムクンスープ×刀削麺な妻の一杯のほうも、レモンの効いた爽やかなスープがめちゃくちゃうまい。 さて、いざ自分の麻辣湯スープをすすってみる。わー! こりゃうまい! その名のとおり、ピリピリ感としびれ感のあるスープだけど、旨味が強くてひと口ごとにじんわりと感動がある。加えて、牛乳? 豆乳? 的な、坦々麺っぽいクリーミーさが際立っていて、ものすごく好きな味。 ぷりぷりとしたトウモロコシ麺は、パスタに近い食感で、これがまたスープによく合うし、控えめにとったつもりではあった具材たちも、こうしてどんぶりにのってやってきてみると、たっぷりと食べごたえ満点。 後半は、カウンターに並ぶ調味料で味変するのも楽しい。「大辛」と書かれた自家製らしきラー油で辛味を、麻油でコクを、不思議なとろとろ感のにんにくでパンチを加えると、麻辣湯の新しい魅力が花開きだし、ますますビールがすすんでしまう。 今回、特に選んで良かったと思ったのがハチノスで、くさみなく、ふわふわとして、スープをよーく絡みとってくれる食感が、ビールのおともに最高だった。また、影の主役として、コリコリ感が心地いい山くらげにも敢闘賞を贈りたい。 次回はどんなスープを選び、どんな具材を選ぶか? そのバリエーションが無限に近く存在するのもいいし、そして、きっとこの店ならば、どんな組み合わせを選んでも美味しくなってしまうんだろう。 絶対にまた行きたいし、自分なりのベスト麻辣湯麺レシピを考えるのが楽しすぎる。シンプルに、楽しくて美味しすぎる店との出会いだった。 取材・文・撮影/パリッコ