【欧州市況】債券下落、好調な米雇用統計で利下げ観測後退-株小幅安
(ブルームバーグ): 7日の欧州債市場は大半が下落。米雇用統計が予想以上に好調だったため、欧州中央銀行(ECB)の利下げ見通しが後退した。
短期金融市場が織り込む年内のECB追加利下げ幅は一時29ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、0.25ポイントの利下げ1回を少し上回る程度にまで低下。年初には年間で最大6回の利下げがあり得ると見込まれていた。
一方、ドイツ5年債利回りは8bp上昇して2.68%と、1日の上昇幅として2月以降で最大となる勢い。金融緩和を見込むポジションの縮小は世界的に進み、米国債利回りは全年限で少なくとも12bp上昇。英10年債利回りは8bp上昇して4.26%と、今月3日以来の高水準に達した。
米国債利回りが上昇、予想外に強い雇用統計で利下げ見通し後退 (2)
ナティクシスの金利ストラテジスト、テオフィル・ルグラン氏は「米国からの波及効果だ」と指摘。「強力な金融引き締めにもかかわらず労働市場が底堅いため、中央銀行の利下げサイクルは長く浅いものにならざるを得ない可能性がある」と述べた。
欧州株はストックス欧州600指数が0.2%安で取引を終えた。予想以上に好調な米雇用統計が発表された後、0.8%安まで下げる場面もあったが、下げ幅を縮小した。
不動産や公益が売られた。英FTSE100指数は2021年1月以来の4週続落を記録した。
原題:Bond Selloff Hits Europe as Traders Ax ECB Bets After Jobs Data(抜粋)
European Bonds Slump After US Payrolls Shock: End-of-Day Curves、European Stocks Decline as US Data Weigh on Fed Rate-Cut Timing(抜粋)
--取材協力:James Hirai、Greg Ritchie.
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Constantine Courcoulas