去年１０月、知床で、車に近づいてきたクマがサイドミラーを折る瞬間をカメラが捉えました。当時車に乗っていた男性が緊迫の状況を語りました。 撮影者) 「完全に何も考えられないというかドキドキしていた」 同乗していた小学生) 「人生の中で一番怖かった瞬間でしたね」 道路の真ん中で立ち上がり、車のサイドミラーをつかんで揺らすクマ。去年１０月、羅臼町の知床横断道路で撮影された映像です。路上に突然現れたクマに、車は停止を余儀なくされたといいます。 撮影者） 「なんせ動けなくなっていた。エサをもらおうかなんかしていたのかなと」 その後も道路をうろつき立ち去るそぶりのないクマ。走って車を追いかけようとする場面も。 撮影者） 「来たぞ来たぞ」 同乗していた小学生） 「あっち行って、マジで」 思いは伝わらず、撮影者のキャンピングカーにも近づいてきます。 撮影者） 「おー来た来た、あーやばい！」 同乗していた小学生） 「ちゃんとドア閉めてる？」 走って一気に駆け寄ってきたクマ。一瞬でサイドミラーをへし折りました。 奥田勤記者） 「クマがいとも簡単に折ったこのサイドミラーですが、このようにビクともしません」 撮影者） 「もう折れました。完全に下にガッと。運転席の方に近づいた時に、顔から３０センチくらいの距離。ちょっと（クマが）横にずれたときに、スーッとゆっくり移動しながら加速して、その時もバックミラー見たときは追っかけてきた」 同乗していた小学生） 「僕よりクマが大きくて、クラクションを鳴らして逃げるかなと思って、僕はその時（キャンピングカー内の）一番後ろまで逃げてパニック状態でした。まだ６年生なのに『もう死ぬんだ』と心がやられて、クマとはもうおさらばしたい」 頻繁にクマが目撃される知床横断道路。４月下旬まで冬季通行止めですが、知床財団は注意を呼び掛けています。