こんなカーライフなんだ! オーナーが語るエンジン車から電気自動車に乗り換えて感じる新しさ3つ
<ブレーキの概念が変わる>
EVには回生ブレーキシステムが備わっている。これにより、減速時にモーターが発電機として機能し、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する。このとき、モーターにはブレーキのような制動力が生じる。このことにより、従来のディスクブレーキを多用することがなくなり、ブレーキパッドの使用頻度が大幅に減少する。 結果として、ブレーキパッドの摩耗が極めて遅くなり、交換頻度が激減する。アルミホイールがパッドの粉で汚れることもない。ガソリン車では定期的なブレーキパッドの点検と交換、アルミホイールの清掃が必須であったが、EVではその頻度が大幅に低下するのである。 また、回生ブレーキを活用することで、ワンペダルドライビングが可能になる車種も多い。アクセルペダルから足を離すだけで減速し、場合によっては停止までもっていくことができる。これにより、ブレーキペダルの使用頻度も大幅に減少し、運転の感覚そのものが変化する。 さらに、自宅に充電設備があればガソリンスタンドへ行く必要もない。自宅でくつろいでいるあいだに燃料補給(充電)できるので、わざわざガソリンスタンドに立ち寄ることがなくなる。これは、とくに寒い冬や雨の日には大きなメリットとなる。 以上のように、EVは従来のガソリン車とはまったく異なる特性をもっており、私たちの「あたりまえ」を大きく変えつつある。メンテナンスの簡素化、静粛性と加速性能の両立、ブレーキの概念の変化など、EVならではの特徴は、多くのドライバーに新鮮な驚きと喜びをもたらしている。 これらの変化は、単にクルマの性能や使い勝手を向上させるだけでなく、私たちのクルマとの付き合い方や、モビリティに対する考え方そのものを変革する可能性を秘めている。EVの普及が進むにつれ、これらの「新しいあたりまえ」がさらに一般化していくことだろう。
琴條孝詩