“すまし顔”から“気合型”に 阿久津未来也がツアー初Vへコブシ慣らし?「自分を鼓舞」
<パナソニックオープン 2日目◇20日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ(兵庫県)◇7100ヤード・パー72> 石川遼、ピンマイクをせっせと装着【写真】 7アンダー・6位タイで2日目を迎えたツアー未勝利の阿久津未来也が、リーダーボードを駆け上がった。8バーディ・2ボギーの「66」をマークし、トータル13アンダーで現時点のトップに並んでいる。2位になった8月の「横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial~」以来の好位置で決勝ラウンドに進む。 アウトからスタートすると、前半からアクセル全開のプレーを披露。2番から3連続、さらに8番、9番の2ホールでもスコアを伸ばし、首位タイに立って後半へ向かった。ソン・ヨンハン(韓国)、清水大成らとの上位争いになっていたが、「15、16番あたりまで」自分の位置は気にしていなかったという。しかし最終18番で「自分の位置を認識して、最後バーディパットを入れたら1番上になるなと思って」と意気込むと、1メートルのパットを沈めてバーディフィニッシュ。「決められたのはよかった」と“狙い通り”の奪首に成功した。 横浜ミナトでは単独首位で最終日に入り優勝争いを繰り広げたが、「フジサンケイクラシック」から2試合連続で予選落ちを喫していた。そこでの課題は「ちょっと迷い」があったパッティング。「自分のなかで構えたときにいい時はわかるんですけど、そのいい感じが出てなくて」と、どうもアドレス時に“ハマらなかった”という。そこで、クラブ契約を結ぶタイトリストのスタッフからのアドバイスを実践。「かなり大きい」とこれを機に復調し、2日間で16バーディの好結果につなげた。 「勝ちたいじゃなくて、勝たなきゃいかんという気持ちでやってこいと背中を押されたので」。お世話になっている人からの言葉も背中を押す。「まだ2日目ですけど、バーディを獲って、自分のなかで鼓舞するためにも、ちょっとガッツポーズしてみたりとか」。いつも「すましている」と自己分析するバーディ後のリアクションでも、あえてコブシを握る。 狙うのは悲願のツアー初優勝だけ。「ちょっと気持ちを出していこう」。日曜日の最終18番で、今度こそ大きなガッツポーズを決めるためにも、コブシをあたためておく。(文・高木彩音)