【コピーしただけのルアーで釣れてもなぁ…】敢えて直球ど真ん中の「ブルーギル」ルアーを出して大ヒットの裏話
「売りたくない」と思わせるほどの存在
本当はブルシューターを売らずに、自分専用にしたかった奥村さんだったが、社員の説得に屈して(?)2011年にデプスウェブメンバーの会員限定アイテムとして販売。次に開発したブルシューターJr.もテスト段階でオリジナルを凌ぐ凄まじい釣れ方を見せたが、こちらも2013年のウェブメンバーオリジナル特典として入会者全員に進呈された。 奥村「金型代を自己負担するからJr.だけは絶対に売りたくない…一度はそう思ったんですけどね。でも、より釣れるルアーを開発して世の中に提供するっていうのが、うちの会社の理念ですから」 2013年にデプスウェブメンバーの会員数が飛躍的に伸びたというのも頷ける。 奥村「その後、あるDVDのロケ中に、ブルシューターのオリジナルがすごい釣果を出したんですよ。59cmをアタマに55アップが10本以上釣れた。そのDVDが発売されると、オリジナルモデルがバタバタと売れましたね。ただし、その翌年から、ほかの会社からもギル型ビッグベイトがリリースされるようになりましたが…」 デプスも2015年には一般販売用としてブルシューター160をリリース。これでウェブメンバー以外のアングラーも160なら入手することが可能になった。 奥村「やっぱり、一番使い勝手が良いのは160ですよね。中間的なサイズで、引っ張る力もあるし、キャスタビリティーも高い。扱いやすいサイズ感ですね」 ブルシューターJr.と160は、レンジキープするよりも、若干上ずる感じで泳ぐように設計されていて、比較的浅いレンジでの使用に向いている。一方、オリジナルサイズは水面下3~5mでレンジキープできる。単なる大きさ違いではなく、狙うレンジによって使い分けることも覚えておきたい。ブルシューターはバスを1匹釣ると開眼したように釣り方がわかるという。そのとき、「本当は売りたくなかった」という気持ちも、きっと理解できるに違いない。