日の丸を背負った34歳新聞記者 マイナー競技「アルティメット」のマスター世代の代表に 34歳記者の日本代表体験記㊤
記者は34歳。30代で一線でやっている選手が限られており、ひょっとしてという思いがなくはなかったが、当時、第2子が生まれたばかりとあって「記念受験かな」と感じていた。しかし、選考会では思いのほかの手応え。学生時代から静かにくすぶっていた「代表への憧れ」という種火が、大きく燃え広がるのを感じた。
■決戦の地、アメリカへ
メンバーに内定したのは4月末。内定よりさらにハードルの高い家族の賛同もなんとか得られた。国内トップクラスのクラブチームや大学チームを招き、関東などで月に1回ほどのペースで行われた合宿に自費で参加するなど、仕事の傍ら、これまでの人生で一番のトレーニングをこなし、いい状態で本番を迎えられた。
トップのA代表などと異なり、マスター世代の代表には、戦術を決める監督もコーチもいない。選手自ら作り上げたチームへの自信と、それより大きな他国の実力がよく分からないという不安を胸に、米ロサンゼルス国際空港に降り立ったのは11月7日のことだった。
WFDF2024世界マスターズアルティメット選手権大会 4年に一度の国際大会で、昨年11月10~16日に米カリフォルニア州アーバイン市で開催。約1500人の選手が参加した。全部で7部門あるが、日本代表はマスターオープンのほか、30歳以上女性のマスターウィメン、33歳以上男性と30歳以上女性の混合のマスターミックス、40歳以上男性のグランドマスターオープン、48歳以上男性のグレートグランドマスターオープンの5部門に派遣された。
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産経新聞の西山瑞穂記者(34)が昨年11月、米国で開かれた世界マスターズアルティメット選手権大会にマスターオープン部門(33歳以上男性)の日本代表選手として参加しました。参加した記者が、五輪などの華やかな舞台とは一味違った〝マイナースポーツ〟の裏側をつづります。
■西山瑞穂(にしやま・みずほ) 平成21年に入学した京都大のサークルでアルティメットを始め、同大学院生時代はクラブチームに所属。27年に産経新聞社に入社後は、たまに競技を楽しむ程度だったが、大阪本社社会部で裁判担当となった令和3年に本格的に再開。6年11月の世界マスターズアルティメット選手権大会の日本代表に選出された。現在は大阪本社報道本部事件・調査報道ユニットで2度目の裁判担当記者。