鳥取の宇宙産業の盛り上げる高校教員の活躍がスゴイ!
「とっとり宇宙産業ネットワーク設立記念フォーラム」“NASA”が学校にやってきた!
奇跡のイベントの半年後、今度は鳥取県が仕掛けます。商工労働部の産業未来創造課が「とっとり宇宙産業ネットワーク」を立ち上げたのです。実は鳥取県には、県外の鳥取出身宇宙事業者以外にも衛星の部品を手がける町工場などいくつかの事業者がいました。これらをネットワーク化して未来の鳥取県の新しい産業について考えていこうという趣旨でした。 ネットワークの立ち上げを記念したイベントの目玉はNASAアジア代表のガーヴィー・マッキントッシュさんの招聘でした。県職員の方のはからいで、イベントの前後で私の勤務校を含めて地域の学校をガーヴィーさんが訪れてくれることになりました。 「“NASA” が学校にやってくる!」。全校に呼びかけて約40名の生徒達が放課後の図書室に集まりました。ガーヴィーさんは英語講師をしていた経験もあり、生徒目線で分かりやすい英語を使いながら宇宙開発の歴史やNASA の事業説明、「We‘ll back to the“Moon”!」とこれから再び人類は月を目指して月面開発をしていくのだと、最新のアルテミス計画の話をしてくれました。適宜質問コーナーや問いかけを行い、一番最初に手を挙げて質問した子には「You! Nice question!」と自分が胸につけていたNASAの非売品バッジをその場で外して生徒にプレゼントをしてくれるという粋なはからいをしてくれました。これには生徒たちも「マジかよ!」と大喜び。その後生徒たちはここぞとばかりに次々と手を挙げて質問をしました。その度ステッカーやホログラムカードなど次々とプレゼントしてくれる大盤振る舞い。最後には私も、アメリカ大使館仕様のペンを頂きました(今でも大切に保管している)。生徒と共に束の間のアメリカンドリームを体験させてもらい、県職員の方とガーヴィーさんと名残惜しくもお別れをしました。
「鳥取砂丘月面実証フィールド“ルナテラス”」その後の鳥取県の宇宙産業
その後も鳥取中心市街地での宇宙や月面をテーマにしたイベントやマルシェなどがいくつも行われ、生徒と共に自主制作VR(中心市街地を3Dモデルで作り、そこに日本国産H2Aロケットなどをクリスマス仕様に展示したもの)、レジンでつくった宇宙アクセサリーの販売などを行いました。 鳥取の宇宙産業づくりのムーブメントは他にいくつもありましたが、産業づくりはやはり難しく、失敗もありました。「宇宙」という言葉はとても魅力的ですが、市民レベルで見るとどう関わったらいいか分かりづらいなど、確かに課題はあります。しかし、食やエンターテイメント、教育などで試行錯誤は続いており、形になってきているものもあります。 2023年、鳥取砂丘西側エリアに月面探査車、宇宙機器など国内外の企業・研究者が実証実験に活用できる、屋外で「日本初」のフィールド「ルナテラス」が誕生しました。鳥取砂丘の西側は以前より「月面極地探査実験A」の舞台となっており、SANDBOX TOTTORIというワークスペースも整備されています。2025年の春には鳥取砂丘の「ルナテラス」を月面ローバー界の聖地にすべく、月面探査車の性能を競う学生向けの全国大会が開かれる予定です。全く別の話ですが、2026年にはこのエリアに米大手のホテルグループの高級リゾートホテルが建設されるという発表がされました。鳥取砂丘西側が注目され続ける状況はしばらく続きそうで、相乗効果を考えるとワクワクしてきます。