鳥取の宇宙産業の盛り上げる高校教員の活躍がスゴイ!
第8回 テーマ
鳥取県が“宇宙産業”を始めるまでの物語(後編)
「これまでのおさらい」生徒引率がきっかけで鳥取砂丘に月面都市が出現
生徒の引率中にVRで遊んだことがきっかけで出会った宇宙ベンチャーamulapoの田中克明さん。鳥取で面白い場所や人を紹介するうちに鳥取砂丘で夜の月面AR体験ができる「月面極地探査実験A」プロジェクトに発展。高校生もその過程で最新のテクノロジーや面白い大人に触れる機会が生まれたのでした。
「星取県、宇宙産業始めます」鳥取宇宙産業創出シンポジウム
鳥取県では以前より、星が綺麗に見えることから「星取県」だと全国にPRをしており、その仕掛け人の鳥取県職員の方にも早くからご協力を頂いていました。その方によれば、鳥取県出身の人工流れ星の事業者、衛星関連事業者など宇宙関連のキーパーソンが沢山いるとのことでした。かつては鳥取砂丘で月面探査車のレースが行われるなどのご縁もありましたが、県内の事業者が少なく、「星空」から「宇宙」へ文脈を移しづらかったのだといいます。 そんな中で、amulapoが分かりやすくVRやARでエンターテイメント事業を鳥取砂丘で仕掛けた上に、鳥取市内に拠点まで設けて状況が動いた(この瞬間、まさかの教員をしながら宇宙ベンチャーの鳥取誘致に成功)。そこでamulapoは鳥取県・市の協力のもと大きく勝負に出るイベントを打ちました。それが「星取県、宇宙産業始めます~鳥取宇宙産業創出シンポジウム~」です。このイベントには鳥取ゆかりの宇宙ベンチャーの経営者達が名を連ねたのはもちろん、国会議員の石破茂さん、平井鳥取県知事、深澤鳥取市長もご参加を頂き、「月面極地探査実験A」の構成メンバーや鳥取大学、アストロパークの研究員など私が地道に繋いできた方々も含めて総動員の大イベントとなりました。私もアントレプレナー部の部員たちと壇上に上がり、生徒が製作した月面都市3Dモデルのお披露目や一部パネルディスカッションのファシリテーターなどを行いました(TVでよく見る石破さんに製作したVRを体験してもらって生徒たちは喜んでいた)。私のクラスの卒業生とアントレプレナー部の部長と副部長が司会進行を務めました(卒業生は気合いを入れて着物まで着てきました(笑))。 コロナが全国流行していた中でこれだけのメンツが一堂に会すことができたのは、奇跡としか言いようがありません。人口が少なく規制が比較的緩かったことが前向きに作用したのです。時期的に場所が鳥取でなければなし得なかったことだと思います。