大学で覚醒「びっくり」…周囲も驚きの急成長 プロ争奪戦に発展、J内定逸材が狙う「偉業」
2年連続となる得点&アシスト王「ダブル受賞」の可能性も
この手応えは結果にも如実に現れた。昨年度の関東大学リーグ1部において、中村は16ゴール12アシストをマーク。現行方式になってから史上初となる得点王とアシスト王をダブル受賞するという快挙を成し遂げた。 「自分自身が一番びっくりしています」と語るように、まさに彼は大学2年から3年にかけて周りも驚くような成長曲線を描いた。一気に大学サッカー界を代表する選手になった彼のもとには、当然のように多くのJクラブから誘いの手が伸びた。争奪戦が激化していくなかで、今年5月に発表されたのはサンフレッチェ広島への加入内定だった。 「サンフレッチェはチームの雰囲気もサッカー面でもスッと入ることができたのが決め手でした。3-4-2-1のインサイドハーフをやらせてもらったのですが、オンでもオフでも力を発揮できるこのポジションと、ほぼオールコートマンツーマンで、奪ったらすぐに前にアクションというスタイルはいつも明治大で積み重ねている部分と変わらないことがスッと入れた理由だと思いました」 進路も決まり、中村は今、明治大の勝利のために全身全霊を尽くしている。リーグ戦では筑波大学と熾烈な優勝争いを繰り広げる。しばらくゴールから遠ざかる期間もあったが、得点ランキング2位タイの11ゴール、アシストランキング1位の8アシストをマーク中だ。 「育ててくれた明治大学のために、圧倒的な結果を出すだけではなく、キャプテンとして後輩に残していく、伝えていくことも大事にしていきたいと思います」 2年連続の「ダブル受賞」という偉業と、関東制覇、その先にあるインカレ制覇に向けて。紫紺の10番は、結果を出しながら、後輩たちに向けて背中で語り抜く。
FOOTBALL ZONE編集部