小島秀夫は映画「箱男」をどう見た? 石井岳龍監督と特別対談、“クリエイティブ”についても語り尽くす
安部公房氏の小説を映像化した映画「箱男」(公開中)。このほど、同作を監督した石井岳龍と、ゲームクリエイターの小島秀夫の特別対談映像(https://youtu.be/hd72LUp8MmM)が公開された。 完全な孤立、完全な孤独を得て、社会の螺旋から外れた「本物」の存在。ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し、一方的に世界を覗き見る“箱男”。カメラマンである“わたし”(永瀬正敏)は、偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、箱男としての一歩を踏み出すことに。しかし、本物の“箱男”になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。存在を乗っ取ろうとするニセ箱男(浅野忠信)、完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市)、 “わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)。果たして“わたし”は本物の“箱男”になれるのか。そして、犯罪を目論むニセモノたちとの戦いの行方は――。 映像は、小島と石井監督の出会いから安部公房作品の映画化について語られる。小島は学生時代に鑑賞した石井監督作品「狂い咲きサンダーロード」「爆裂都市 BURST CITY」のエネルギーに圧倒されたのだという。石井監督については「僕のヒーローなので。ファンというか師匠。兄貴と呼ばせてもらっていた」と当時を振り返る。 石井監督も、小島が「箱男」の原作者・安部公房を尊敬している点、小島氏が生み出したゲーム「メタルギア」シリーズに箱男が登場する点などから「(小島氏に)自分としても共通の何かを感じた」と語る。 また、完成した映画「箱男」を鑑賞した小島は「けっこう原作に忠実、そこはビックリした」と語るも、石井監督らしさを感じたようだ。「石井監督の段ボールに僕が入って、安部公房さんを見たような二重の喜び」と尊敬する2人のクリエイターのコラボレーションに感服した様子を見せていた。 「戦争やってるし、地震は来そう、地球は壊れているし、ろくでもないですけど。社会や人間関係のこともでもある作品、この時期に箱男が映画化されたのは意味がある」と語る小島。さらに2人は、共に敬愛する安部公房の魅力について、互いのルーツや裏話を織り交ぜながら深堀り。安部公房ファン、石井岳龍ファン、小島秀夫ファンも初めて知る情報満載の対談となっている。 さらに、2人の考える“クリエイティブ”について語り尽くされたボーナス映像(https://youtu.be/_5xzWaKzCQw)も解禁。石井監督が「ディテールのアイデアがとにかく凄い」と大絶賛する小島の発想力。いったいどのようにして世界を魅了する世界観が生み出されてきたのか、石井監督が小島の頭の中を徹底解剖する。「映画」と「ゲーム」、それぞれが生み出す作品をクリエイティブ視点で紐解く対談は、ファン必見の内容だ。