大興奮!? 世紀の大工事「巨大岩塊撤去」の現場がスゴすぎる! 上信越道の「足場要塞」の裏側で何をしてるの? スリル満点の「激レア」土木体験
「巨大要塞」の秘密はここに!?
さて、破砕現場の外側へ出ると、垂直の断崖絶壁の真下に、上信越道が小さく見えます。岩盤を取り巻く足場はまだ30m以上の高さがあり、昇り降りするには作業用エレベーターが欠かせません。
足場には一定の高さごとに木の板のステージが敷かれています。これは破砕現場から落ちてくる小石を受け止める役目があります。ロックシェッドだけでない何重もの対策が打たれていることが分かります。 ロックシェッドは本線の高架に荷重をかけないよう、直接地面へ建てられており、やはりゴツい構造になっています。 ほとんどが発泡スチロールで構成されていますが、舐めてはいけません。軽いのに衝撃には強い性質で、全国で盛土に使われているほどのスグレもの。6月にNHKのバラエティ番組「解体キングダム」でこの現場が取り上げられた際、元格闘家の魔裟斗さんがこの発泡スチロールの見本を全力で殴りましたが、ほとんど凹みませんでした。そのときの殴った跡は、いまも現場事務所にサイン入りで展示されています。 上信越道の本線と同じ高さまで下りてきました。真横をトラックや乗用車が駆け抜けていきます。見上げると、さっきまでいた岩塊がそびえています。 すでに岩塊の体積にして49%が撤去済みですが、まだまだ「見上げる迫力」は健在です。 このままいけば来年2025年には撤去がほぼ完了。あとは足場や仮桟橋、インクライン、そして本線上のロックシェッドを片付ける作業が3年間あり、2029年4月にはすべての工程が終わる計画です。 平成初期からの巨大プロジェクトは、いざ始まれば一瞬ですが、それまでには綿密な下準備が進められてきました。 その一瞬のきらめきとも言える現在の「巨大足場」の姿。参加者は「道路や橋を作ったりする土木工事は見てきましたが、『壊す』工事は珍しいですよね。そのなかでもこんなに大迫力な現場は何十年に一度しか見られないと思います。来れてよかったです」と話していました。
くるまのニュース編集部