イスラエルの人口増加率が鈍化、国外移住者の増加が主因と当局
(CNN) イスラエルの2024年の人口の伸びが鈍化したことが中央統計局(CBS)のデータで明らかになった。国外に移住する人が増えていることが主な原因。 人口増加の鈍化は同国が1年以上にわたって複数の紛争を抱えている中でのものだ。ただし、中央統計局は戦争が長期的な移住の傾向に及ぼす影響は1年後、つまり「24年11月以降」に評価されるべきと注意を促している。 中央統計局が12月31日に発表した報告書によると、イスラエルの人口は昨年、前年比で1.1%増加した。23年は1.6%増だった。 増加率が減少したのは「主に他国に移住する人が多かったため」としている。昨年は8万2700人が他国に移住し、23年の5万5000人から増えた。 報告書によると、昨年末時点の同国の人口は推定1002万7000人で、初めて1000万人を超えた。ただし、この数字には同国に住む外国人も含まれている。 人口の伸びの鈍化に加え、同国は政治面での混乱にも見舞われている。ネタニヤフ首相が23年に司法制度見直しを進めた際には大規模な抗議活動が展開された。 同年10月7日にはイスラム組織ハマスの急襲で1200人超が死亡し、250人以上が連れ去られた。これを受けてパレスチナ自治区ガザ地区での戦争が始まった。ガザ保健省によると、ガザでは戦争開始から4万5000人超が死亡している。 イスラエルはまた隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ、イラン、イエメンの反政府武装組織フーシ、シリアやイラクの過激派との紛争も抱えている。