富国製糖が製糖開始 今期搬入2万4千トン超見込む 奄美大島
鹿児島県奄美市笠利町の富国製糖奄美事業所(中山正芳所長)で12日、2024年産(24~25年期)の原料サトウキビ搬入が始まった。年内操業は6年連続。新植面積の減少や8、9月の台風被害の影響もあり、今期の生産量は前期実績比2166トン減の2万4300トンを見込んでいる。 製糖期間は3月19日までの98日間(うち圧搾日数63日間)を予定。市町村別の搬入見込み量は奄美市笠利町2万3231トン、龍郷町1019トン、同市名瀬50トン。1日当たりの圧搾量は400トンを予定している。 同事業所によると、24年産キビは新植の減少や管理不足の株出し割合の増加、8月の台風10号、9月の台風13号の影響もあり、11月1日の最終生育調査では3作平均の茎数が5・3本減となったことから、減収を見込んだ。登熟状況は同25日のブリックス調査で、高糖度を記録した前期より1・8度低い17度で推移している。 製糖開始式で有村成生社長は、生産量の減少や国から製糖工場へ交付される交付金が5年連続で減額されるなど、厳しい経営状況を示し「富国製糖の採算ラインは2万8千トン。来期は増産となるよう、収穫後早期の植え替えや株出し管理に努めてほしい」と協力を求めた。 初日は298・530トンを受け入れ、平均甘しゃ糖度は前期初日を2・43度下回る12・62度。最高は14・2度、最低は10・2度だった。 年内は23日まで原料を受け入れ、年明けは1月7日に再開する。1月から3月にかけ、3回の洗缶期間(計19日間)を設けて原料搬入を休止し、春植え・株出し管理を推進する。