24歳で「悔しい」日本一、先輩の金言胸に頂点…「俺の力なんてちっぽけ」DeNA三浦監督の手記
プロ野球の日本シリーズ第6戦は3日、横浜スタジアムで行われ、セ・リーグ3位から勝ち上がったDeNAがパ・リーグ王者のソフトバンクを11―2で破って4連勝とし、1998年以来、26年ぶり3度目の日本一に輝いた。 【写真】日本一の喜びを語る「ハマの番長」
1998年の日本シリーズは24歳だった。第3戦に先発し、抑えてやろうという気持ちが空回りして、我を忘れた。(三回途中4失点、6与四球で降板し)コントロールで抑えていた投手が力で抑えようとして、ストライクが入らなかった。今思えば、若かった。
負けたその日、悔しくて悔しくて、ホテルに帰ってから一歩も部屋から出なかった。スポーツニュースが始まって、すぐにテレビを消した。もう一度投げたかったけど、結局投げられず、先輩や周りの人たちが巻き返してくれて、日本一になれた。もう一度日本シリーズで優勝しないとあの時の映像は見られないと思った。
(長く投手コーチを務めた)小谷(正勝)さんによく言われた。「己を知れ」と。できないことをやろうとするから失敗する。できることを全力でやるのが一番の近道だ。これは今に生きている。
自分ができることを全力でやろうと、いつも選手やスタッフに言っている。たとえ、今100を出して次の日は70しかなくても、70を全力で出し切るんだと。
日本シリーズ1戦目は硬さがあった。連敗して、どこかで選手を集めたミーティングをした方がいいと思ったけど、キャプテンの牧が選手たちで集まりたいと言っている話を聞き、牧に任せようと思った。自発的だったのが大きいね。牧と(2017年の)日本シリーズ経験者が発言したと聞いている。非常にいいミーティングをしてくれたと思う。
けがをした選手も、ベンチ裏やロッカーで、チームを鼓舞してくれた。誰か一人が引っ張っているというワンマンチームではなく、みんなが自分のできること、役割は何かを考える。ベンチに入れない選手も、できることはある。それで一体感が生まれてくる。