阪神最後の本塁打王は?チーム別個人タイトル獲得事情
そして12球団最多となる12人の首位打者を輩出したのがロッテだ。古くは東京オリオンズ時代に山内和弘、榎本喜八という大打者が所属、80年代には落合博満が5度の首位打者となり、2000年以降も福浦和也、西岡剛、角中勝也とコンスタントに首位打者を生んできた。楽天の数字が少ないのは2004年にチームが誕生したため、それでも12年間で4部門のタイトルを獲得し、残るは最多安打と最高出塁率となっている。 セ・リーグの投手部門では打撃部門より巨人偏重の傾向が薄く、中日の健闘が目立つ結果となった。とくに最多勝部門ではリーグトップの15回、11人の投手を誕生させている。
2000年代の16シーズンで6度の最多勝を獲得し、それまでトップだった巨人を追い抜かした。また岩瀬仁紀に代表される近年の救援陣の充実もあって最多セーブ、最優秀中継ぎでも両リーグ最多の獲得回数を誇っている。2002~2012年の11年連続Aクラスはこの投手陣あってのものだった。 阪神は同じ伝統球団である巨人と比較すると目立つ部門が少ないが、奪三振部門だけは別だ。2012年からは3投手(能見篤史、ランディ・メッセンジャー、藤浪晋太郎)で4年連続のタイトル獲得、過去には3度このタイトルを獲得した井川慶もいて12部門中唯一リーグトップの数字を記録している。広島は勝率第一位と最優秀中継ぎ投手をまだ輩出していない。楽天以外のチームで投打12部門のタイトルの中に未獲得の部門が残っているのは広島だけだ。
パ・リーグではソフトバンクと西武が2大勢力となっている(表4)。ソフトバンクは奪三振、勝率、セーブ、中継ぎの4部門でリーグトップの獲得回数、西武は最多勝、防御率という主要2部門がトップだった。ただ西武は防御率が2004年の松坂大輔、最多勝が2009年の涌井秀章が最後の獲得者、2010年代に入ってからは数字が伸びていない。パ・リーグの最多奪三振部門は同じ投手が何度もタイトルを獲得するケースが多く、27年間で14人しかタイトル経験者がいない。日本ハム、ロッテ、オリックスの3チームのタイトル獲得者は1人だけだ(ダルビッシュ有、伊良部秀輝、金子千尋)。