佐久全国臨書展で南房総市の神作さん親子が3人そろって受賞(千葉県)
“現代書道の父”と呼ばれる書家、比田井天来の名を冠した、臨書の公募展「第13回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展」で、南房総市の神作太郎さん(三芳小6)と、妹の咲良さん(同小4)が小学生の部で最高賞の天来賞、母親の舟寳(ふなとみ)恵美(本名・神作恵美)さんが、一般の部で第二席に当たる佐久市長賞などを受け、親子で受賞した。 臨書とは、古くから伝わる優れた古典を手本に書写して学ぶこと。比田井天来(1872―1939)は、特定の師や流派の型にはまらず、古典から直接学ぶことを推奨し、学書の方法論を体系的に確立した書家だった。同展は、比田井天来の故郷である長野県佐久市が、「現代の書を原点である古典から問い直そう」と続けている臨書の公募展。会派を超えて審査員が集うのも特徴となっている。
対象の作品は、中国は唐以前、日本は平安時代以前の、広く認められている古典を臨書したもの。今回は、小学、中学、高校、一般の4部門に、全国から3796点の出品があった。 太郎さんは、中国・北魏時代の楷書の名作「牛橛造像記(ぎゅうけつぞうぞうき)」、咲良さんは中国・唐時代の大家、顔真卿の「自書告身帖(じしょこくしんちょう)」からそれぞれ2文字、恵美さんも同じく顔真卿の「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」の一部に挑戦した。 太郎さんは「迫力ある線質と雰囲気に近づけるよう頑張った」、咲良さんは「独特な筆法が難しかったけど、好きな古典になった」と語り、それぞれ古典に触れて、学びを得た様子。漢字部門で、市長賞と審査員賞の石飛博光賞を受けた恵美さんは「親子で賞を頂き、とても驚いた」と受賞を喜んだ。 この他、安房地域では、芳賀菜々佳さん(千倉小4)が佐久市書道連盟賞、平桝瑞月さん(三芳小5)が特選を受けた。