“族車”だけど暴走はしない…昭和・平成の「街道レーサー」たちの現在の姿
こんにちは。伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』3代目編集長をやっていた倉科典仁と申します。ティーンズロードは1989年に創刊され、90年代には社会現象に。現在は廃刊となっておりますが、そんな本誌に10年以上携わっていました。 ⇒【写真】1990年代は何百台もの街道レーサーたちが公道を爆走していた
目立ってナンボの街道レーサーたち
ティーンズロードなどのヤンキー雑誌全盛期にいわゆる“族車”に乗っていた人たちは、令和になって40代・50代を迎えた現在、どうしているのでしょうか。じつは当時のスタイルを続けていることが多いんです。しかもカスタムするクオリティーは、お金がなかった10代の頃とは比べ物にならないほど上がっています。 昭和の原付バイクを当時の改造そのままに完璧なまでに再現している人たちや、中型(250cc~400cc)のバイクを族車仕様に仕上げ、「旧車會」として暴走ではなく“ツーリング”を楽しんでいる方々がたくさんいらっしゃいます。 そんな旧車愛好家のなかで「街道レーサー」と呼ばれる人たちもいます。当時の暴走族(麗心愚チーム)たちが乗っていた“名車”を、原型を留めないほど改造し、旧車會イベントの走行会(※)などで披露しているのです。 (※)人里離れたサーキット場や貸切状態の巨大な駐車場で、時間を決めて自由に爆音を立てて走る。もちろん公道は走れないので、主催者からは会場まではトラックやキャリヤカーなどに自慢の愛車を積んで来るようにアナウンスがある。
竹槍!出っ歯!オーバーフェンダー!
主な改造の特徴としては「竹槍マフラー」「出っ歯」「オーバーフェンダー」「オープンカースタイル」などですが、とにかく“目立ってナンボ”という派手な改造をしています。 車のオーナーさんたちは、そういった改造車のイベントに向けて何ヶ月も前から自分のオリジナルのデザインを構想し、コツコツと仕上げていくわけです。 なかには1年以上かけた渾身の作品などもあり、仮面ライダーや戦隊ヒーローシリーズに出てきそうなものから、平成のレーシングカーをオマージュしたもの、とことんまで「悪っぽさ」を追求したものなど、(言い方は悪いかもしれませんが……)子どもたちが喜びそうなバラエティ豊かな改造車たちが見られます。