稲垣吾郎が現行犯逮捕され、事件を経て“変わった”ワケ「稲垣さんに一番驚かされたことは、SMAP解散後の身の振り方」
稲垣がさらなる変化を遂げたのは…
稲垣吾郎さんがさらなる変化を遂げたのは、2011年にTBS系の読書バラエティ番組『ゴロウ・デラックス』を始めてからです。 話題の本の作家が毎週ゲスト出演し、ホストの稲垣さんとトークを繰り広げるというもの。毎週指定された本を読んで、しかも作者と話せるほどに内容を理解しておくというのは、なかなかハードな仕事です。よほどの読書好きでなければ務まりません。 稲垣さんは根っからの本好きというわけではなかったんじゃないかと思います。それでも番組と真摯に向き合ってくれて、毎回しっかりと読み込んできました。 本を読んでその内容について話す機会があると、人はつい自分の気づいたことや感想を言いたくなるものですが、稲垣さんは番組でそんなそぶりを見せませんでした。作家にとことん話を聞き、言葉を引き出す姿勢を崩さなかった。「聞き上手」という稲垣さんの特性が存分に発揮される場となりました。 番組は好評を得て、制作側としてもどんどんハイレベルな要求をするようになっていきました。本を選ぶとき、時事性や意義があれば分厚くて難解な本でも遠慮なく取り上げましたし、大御所作家にもどしどし出演のアプローチをしました。 稲垣さんに対する作家からのウケは良好で、「『ゴロウ・デラックス』だったら出演オーケー」という声も多数あがりました。それで小説家や漫画家まで、ありとあらゆる作家が出演してくれることとなりました。 稲垣吾郎さん本人にとっても、この番組での体験は大きい糧となりました。いま稲垣さんは50歳となり、大人の役者として味わい深い演技を見せています。ラジオ番組も続けており、内容豊かで評判です。『ゴロウ・デラックス』で読書体験を積み重ねたことが、その後の活動にいい影響を及ぼしているのだろうと思います。
「新しい地図」に稲垣が合流して驚かされた
1990年代から稲垣吾郎さんとお付き合いを続けてきて、いちばん驚かされたことといえば、SMAPが解散したあとの身の振り方です。 解散後、草彅剛さんと香取慎吾さんが、マネージャーだった飯島三智さんとともに行動し、「新しい地図」の名のもとに進むことになるのは、まだ想定内でした。ふたりは「しんつよ」との愛称で呼ばれるほど親密で、コンビのようなところがありましたから。 そこに稲垣さんも合流するというのは、すこし意外でした。新しい地図としてイチから活動を始めるというのは、当時の芸能界において、相当の茨の道になるのはわかりきっていました。それなのに、稲垣さんは決断した。これはかつての逮捕事件の経験があったからじゃないかと思います。あのときは飯島さんが奔走し、なんとか復帰の道をつくり上げてくれた。その感謝を忘れていないからこその、解散後の決断だったのではないかと考えています。 稲垣さんが合流して、草彅さんと香取さんもさぞ心強かったでしょう。2人でやるか3人で活動するかでは、かなり印象も違います。3人だとグループ感が出て、大きなうねりを起こせそうな雰囲気が醸し出されることとなりました。 新しい地図は2017年、AbemaTVで「72時間ホンネテレビ」を敢行します。各芸能事務所が出方を読み合ったり、インターネット対テレビ界のような構図もあったりして、なかなかゲスト出演者が決まりませんでした。それでもなんとか番組は成立し、長時間の放送が実現しました。