数千億規模との試算も 猛暑で消費増!? その効果は【WBS】
連日厳しい暑さが続くなか、暑さ対策の専門製品を紹介する「猛暑対策展」が24日から都内で始まりました。2024年で10回目となる展示会には、過去最大規模となる83社が猛暑を乗り切るために開発された製品を出展しています。
ファンで服の中に外気を取り込み、汗の気化熱で体を冷やす空調服を販売している企業。今、売り上げが伸びている商品が「空調ベッド風眠」という商品です。ベッドの中にファンで空気の流れを作ることで、体に接する部分の熱や湿気を取り除き、快適に睡眠できるといいます。 「昨年だけでも5200台ほど出ている。空調ベッドや他の製品でライフスタイルをさらに快適にしたいという思いがある」(「空調服」企画生産部の岩渕大征さん)
屋外や工場などに設置するミストシャワーはエコにこだわったものが売れています。 「クールミストLine」はティースプーン一杯の水で1分間噴射できる「濡れないミスト」です。独自技術で空気と水を混ぜ、超微粒子にして気化させることで濡れたり錆びたりしないといいます。 「実際に体感温度が26~27℃まで下がる。全くクーラーがいらなくなる」(「東横サポート」の山田一德代表取締役) さらにこのミストを搭載した扇風機もあります。筒状にまっすぐに送風されるため、20メートル先まで風が届くといいます。 「毎日(受注が)多くて、大変対応に困っている。体が持つかどうか分からない」(山田代表取締役) そんな中、家電メーカーのブースでリュックのようなものを装着する男性がいました。6月に発売された新商品だといいます。 「こちらは両手が空いた状態で日傘をさせる『背負える日傘』です」(「サンコー」の﨏晋介執行役員) 農作業や写真撮影など両手で作業する人向けに作られました。
夏物専門チームを作った企業も
サンコーでは他にも扇風機付きの日傘、全身に冷水が循環する冷水スーツ、風呂上がりにすぐ濡れたまま乗れる扇風機などユニークな商品を毎年発表しています。なぜ次々とアイディア商品が生まれるのでしょうか。 その開発現場を訪ねました。この日行われていたのは、男性向けの日傘の会議です。 「日傘をかっこいい人が使っていたら分かる。自分が使うと恥ずかしくない? 『お前が使うなよ』って思われそう」(サンコー社員) 「色合いを男性寄りにして、グリップをひんやり素材で包んで持ち手を涼しく」(サンコー社員) 面白い商品を生み出す秘訣が毎週行われる会議です。思いついたことを書き込むことを習慣化し優れたアイディアには報奨金が出ます。そして猛暑が増していることから、今年初めて作ったのが、夏物専門チームです。専門チームを作ったことで、商品数も大幅に増え、夏物商品の今年の売り上げは前の年に比べて既に1.5倍となりました。 「暑い期間がどんどん延びているので、ビジネスチャンスに変わっている」(「サンコー」夏物専門チームの玉城俊彦さん) 猛暑が押し上げる経済効果について「第一生命経済研究所」首席エコノミストの永濱利廣さんは「夏場の平均気温が1℃上がるごとに、2600億円程度の個人消費の押し上げ効果がある」と語ります。 気温が上がるほど暑さをしのぐための出費が増加。特に飲料やエアコンなどの家電、飲食店などの消費が押し上げられるといいます。 東京の7月の平均気温は平年がおよそ26℃に対して、今年は28℃。このまま平年より2℃高く推移すると「5000億円近い押し上げ効果でもおかしくない。消費が盛り上がることは期待できる」(永濱さん) ※ワールドビジネスサテライト