〈インタビュー〉「負けたら引退」宣言の所英男「負けたら辞めなきゃいけない。辞めたくないんで絶対に勝ちたい」【超RIZIN.3】
20歳差のヒロヤと対戦
46歳のベテランMMAファイター、所英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)が「超RIZIN.3」(7月28日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)で「負けたら引退」マッチに臨むことを自ら宣言した。その心中を直撃した。 所は5月24日に行われた同大会の追加カード発表会見でヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)との対戦が発表された。会見の冒頭、いつものように挨拶と対戦相手の印象などを語っていたのだが、終盤に差し掛かったところで突如「今回、負けたら引退します。すみません、さっき言いそびれたんで、言いました」と突如宣言。この言いそびれた理由については「有名人ばかりで舞い上がりました」となんとも所らしい答えで会場を和ませた。 ◆ ◆ ◆ 「負けたら引退」ということは勝てば現役続行ですよね? 所「勝ったらもう1試合っていう。はい」 今回、そういう決断をした意図は? 所「結果も出てないし、自分のやりたいことと動きが離れていっているのがあって。あとプラス試合で…。やっぱり練習は頑張れますけど試合で出すってちょっと違っていて。昔は試合で出せられていたんですが、それをできなくなっているということをすごく感じるので“そろそろかな”っていうのと、そうやって自分を鼓舞するというのもありました」 いつ頃から具体的に? 所「割と、結構前から」 これまでも「この試合が最後かも」といった内容のことはカード発表会見や試合後の会見などで言うことはありましたが、ここ最近は常にそう思っていたということですか? 所「そうですね。そういう覚悟はありました。(RIZINに)復帰した太田忍選手との試合くらいからそういう覚悟はやっぱりあってっていう感じですね。それをようやく言葉にしたという感じです」
「金原さんが弱いから負けたんじゃないと思っている」からこその「言うな言うな」
太田戦後に3連敗。負けても金原選手とか勝村選手に励まされてまた頑張るというのがここ3戦続いていたという感じですか? 所「“もうだめだ”ってなって、でも“言うな言うな言うな”の繰り返しですね。やっぱりあの2人に助けられたというか」 その「言うな言うな」はこの前、所選手が金原選手に言っていましたね。 所「そういう言い合いというか(笑)。お互いそういう年なんで、実績は違うけどいたわりながら(笑)」 その金原選手と鈴木千裕選手の試合の感想を聞かせてください。 所「あの日は鈴木選手が勝って、すごくて。“ああ、やっぱり鈴木千裕選手はすごいな”と感じましたけど、僕は金原さんが弱いから負けたんじゃないと思っています。あの日は鈴木千裕選手の日だったというだけで、日にちが違ったら勝てたんじゃないかと、まだ自分のなかで受け入れられないところがあるので、悔しいですね」 だからこその「言うな言うな」だったんですね。 所「そうですね」 今回の決断は、金原選手や勝村選手には? 所「もちろん。飲んでいる席からずっとそういう話ばかりしているんで」 具体的に「今大会で」というのも? 所「なんだったら金原さんプロデュースみたいなところがあるので。金原さんが“ヒロヤ選手とやったらいいんじゃないか”と言ってくれて、そういう目線で見始めたらものすごくいい選手で。“この選手と試合ができたらめっちゃいいな”っていうふうに見るようになりました」