17日着工 ── 品川―名古屋間2027年開業目指すリニア中央新幹線計画とは(鉄道ライター・伊原薫)
「のぞみ」と1割程度しか変わらぬ運賃
そして、気になるのは運賃。JR東海の葛西名誉会長は先週、リニア中央新幹線の採算性について「新幹線より700円高い料金であれば採算は十分取れる」と話しました。「のぞみ」の指定席料金が1万890円(通常期)なので、1万1600円程度ということになります。これだけのスピードアップが図られながら、運賃は1割程度しか変わらないとなれば、私達がリニアを使って移動することも格段に増えるかもしれません。 このリニア中央新幹線、まずは品川~名古屋間を先行開業し、その収益で5.5兆円の工事費を返済。経営体力をつけたうえで、名古屋~新大阪間の工事に取り掛かる計画です。名古屋~新大阪間の開業は今から31年後となる2045年。はるか先に思われますが、現在政府では名古屋~大阪間の建設費3.6兆円を立て替え、JR東海に前倒し開業を求めるという一部報道もあり、目が離せません。 開発開始から半世紀を超え、大きな一歩を踏み出したリニア中央新幹線計画。開業50周年を迎えた東海道新幹線の進化版でもある、次の「夢の超特急」の、13年後の開業が今から待ち遠しいところです。