なぜJリーグは史上最多入場者記録を更新したのか?
それでもホームの17試合で動員した45万9168人は、昨シーズンの37万401人から約24%もアップ。1試合平均の伸び数5222人と合わせてJ1で1位になった理由を、理事会後に記者会見したJリーグの村井満チェアマンは、リーグ最多得点68を叩き出したマリノスの超攻撃的なスタイルに求めた。 「いろいろなハンデがあっても、攻撃的で魅力的なサッカーが何よりも大事で、人を引きつけるということを再認識した次第です」 前年比の伸び率19%、平均の伸び数5108人で2位につけたFC東京も、味の素スタジアムがラグビーワールドカップの会場になった関係で、ホーム戦はシーズンの前半に集中。優勝争いの勝負どころとなる夏場以降で、8試合続けてアウェイ戦を戦う変則的な日程を余儀なくされていた。 ただ、マリノスとFC東京の数字が1位と2位を占めた理由は、最終節まで優勝争いを演じたことだけではない。3位に伸び率18%、平均の伸び数4223人のガンバ大阪、5位に同12%、同2952人の名古屋グランパスと、残留争いを強いられたチームが名前を連ねたことにも深く関係している。 「必ずしも順位とは相関しないというか、勝敗に頼ることなく集客していく仕組みやノウハウが、各クラブに根づいてきたと思っています」 会見で村井チェアマンが言及した「仕組みやノウハウ」の源泉になっているのが、2017年7月に導入された会員サービス、JリーグIDとなる。 観戦チケット購入やオンラインストアでのグッズ購入など、サービスごとに異なっていたアカウントをひとつのIDのもとで統一したことで、ファンやサポーターの利便性は飛躍的に向上。導入当初の会員数約38万人が今年6月で約130万人、この日の発表では約158万人にまで増えている。 JリーグIDのアカウントを取得する際には、好きなクラブを任意で登録。チケットやグッズのオンラインでの購入、Jリーグ公式アプリ『Club J.LEAGUE』の利用、そして一部スタジアムで利用可能なWi-Fiへの接続など、リーグやクラブが提供するサービスをひとつのIDで利用できる。