石破首相が南米へ出発、日米首脳会談など調整 トランプ次期政権見据え同盟の重要性確認
石破茂首相は14日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため南米訪問に出発した。15日にはペルーの首都リマでバイデン米大統領と初会談し、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を交えた日米韓3カ国首脳会談も実施する。「米国第一」主義を掲げるトランプ前大統領の大統領選勝利を受け、日米同盟や3カ国連携の重要性を確認する見通しだ。 首相は出発に先立ち、首相官邸で記者団に「日米韓の協力体制を確認し、発展させることを議論したい」と語った。外遊の帰途に米フロリダ州でトランプ氏と会談する日程も模索しているが、「具体的なことが決まっているわけではない」と述べるにとどめた。 日米韓は北朝鮮や中国の抑止を念頭に連携を強化し、首脳会談の定例化を進めてきた。一方でトランプ氏は、多国間よりも二国間のディール(交渉)を好むとされる。 日本政府は3カ国連携を重視する方針をトランプ氏側に伝えていく考えだ。国務長官に起用される対中強硬派のルビオ上院議員については「日本の価値を理解している」(官邸関係者)との見方がある。 首相周辺はトランプ次期政権に関し「(従来の関係の)継承という言葉は好まず、新しい日米関係を築いていこう、という考え方だろう。日本が積極的に行けば合うかもしれない」と語る。