左から井上真央、菅田将暉

映画「サンセット・サンライズ」の完成披露試写会が本日12月9日に東京・丸の内ピカデリーで開催され、キャストの菅田将暉、井上真央、三宅健、山本浩司、好井まさお、監督の岸善幸が登壇した。 【画像】完成披露試写会にて、「菅田将暉の鼻筋がきれい」と熱弁する三宅健 楡周平の同名小説を宮藤官九郎が脚色した本作。東京の大企業で働くサラリーマンの晋作が、宮城・南三陸にある4LDK・家賃6万円の物件に“お試し移住”しながら、リモートワークの合間に釣りざんまいの日々を過ごすさまが描かれる。晋作を菅田、彼が移住先で出会う町のマドンナ・関野百香を井上が演じ、百香の幸せを陰ながら見守る“モモちゃんの幸せを祈る会”のメンバーであるタケ（高森武）に三宅、山城進一郎に山本、平畑耕作に好井が扮した。 菅田は自身の役柄について「リモートワークでも仕事が成立するという状況で、晋作が南三陸に移住をするところから始まる物語なんですが、劇中でのちのちわかる『普段、そういう仕事をしているんだ』というのはサプライズかなと思います」と、ストーリーにも絡む晋作の仕事内容に言及する。また、最近さかなクンに会ったという彼は「映画でオウゴンムラソイを釣ったことを伝えると、『ギョギョ！』と驚いて『オウゴンムラソイちゃんは、ムラソイの中でもレアで……』と5分ぐらい興奮して話してくれました。釣りや魚が好きな人も楽しめる映画だと思います」とアピールした。 井上は、「（百香は）魚などをちゃちゃっと料理するんですけど、岸監督は何があっても最初から最後まで止めずに撮る監督なので、料理シーンは大変でした」と回想。撮影前から一緒に魚をさばく練習をしていた菅田が「『このセリフまでに、ここまで身をおろす』とか、全部計算してやってる。職人芸ですよね」と称賛すると、井上は「芸能界一、なめろう作りが速いと思っています」とドヤ顔を見せ、共演者から「なめろう女優だ！」と独特なキャッチコピーを付けられていた。 “モモちゃんの幸せを祈る会”の中でもっとも気が短いタケを演じた三宅は、本番中に椅子を壊してしまったという予定外の出来事を述懐する。本編にも使われた同シーンについて、三宅は「あっ！と思ったけど続けなきゃいけないので」と話し、岸は「いただき！って感じでした」と笑顔。菅田は「その椅子を池脇千鶴さんがアドリブでそーっと直そうとしてね（笑）。監督もニヤニヤしてた」と明かした。 好井は、撮影初日に菅田からキャスト・スタッフにオリジナルTシャツが差し入れされたというエピソードを披露。「僕が選んだMでも（袖が）ひじ下ぐらいの超ビッグサイズ。すごいしゃれてるんですけど、どんどんMとLがなくなっていく中、小日向（文世）さんが最後のほうに（現場に）入られたんです。『僕いけるんじゃない？』と言いながらXLを試着したら、少女がワンピースを着ているぐらいの丈になっていた（笑）。何も言わずにゆっくり脱いでました」と懐かしむ。Tシャツは共演者にも好評だそうで、三宅は「グレーに蛍光の黄緑の文字がかっこいいんだよね。（“幸せを祈る会”の倉部健介役である）竹原ピストルさんも気に入っていて、僕のコンサートに来てくれたときも着てた」と報告した。 山本は、Netflixシリーズ「火花」以来の共演となった好井とのシーンを振り返り「飲み会の帰りの場面で、好井くんとアドリブでコント的なやりとりができたんですよ。それがすごくうれしくて。……カットされていました」と切ない表情を見せる。台本になかったものの現場で急遽リクエストしたシーンだったこの場面について、岸は「初コメディだったものですから、緊張して、いろんなことをお願いしました。でも編集したら長くなっちゃって」と素直に打ち明けた。 最後に岸は「笑って、笑って、笑って、最後にちょっとほろっとする映画です。宮藤官九郎さんの力を借りて、人と人がつながるときに必要なことを、スタッフ・キャスト一丸となって描いた作品です」とコメント。菅田は「ごはんがすごくおいしそうな映画なので、食べたくなったら、ぜひ南三陸にも足を運んでいただければと思います！」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。 「サンセット・サンライズ」は、1月17日より全国でロードショー。 (c)楡周平／講談社 (c)2024「サンセット・サンライズ」製作委員会