第17回 球界に君臨する“天皇”金田正一(国鉄) vs “ゴールデンルーキー”長嶋茂雄(巨人)|「対決」で振り返るプロ野球史
金田 - 長嶋初対決。4打席4三振の“真実”。カーブ、カーブ、カーブの金田に長嶋はイラ立った!?
第1打席、長嶋が空振三振したシーン。これはストレートだったが、その前2球は大きなカーブで、軽くいなされた
第15回でようやく巨人・長嶋茂雄の名が登場した。1958年に巨人に入団するまでの物語は、プロ野球ファンなら誰でもご存じのことと思う。自由競争の時代(もちろん、これはドラフト以後に使われ始めた表現で、当時は、有望選手は競い合って奪い取るものと決まっていた)。だから、長嶋が南海から巨人にクラ替えしたからといって、非難されるほどのことではなかった。あのころは、いわゆる“二重契約”問題がしょっちゅう起こっていたのだから。 とはいえ、当時はプロ以上の人気があった東京六大学の大スター。通算8本塁打の新記録を引っさげてのプロ入り。さらに1800万円という、のちに衆議院文教委で問題にされるほどの空前の契約金を手にしている。セ・リーグの投手たちの心中は穏やかではなかった。真っ先に反応したのは、“天皇”と呼ばれ、プロ野球界のエースを自任していた国鉄・金田正一だった。「大学出にナメられてたまるかい!」とイキリ立った。 もちろん、カネやん一流の計算もあった・・・
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週刊ベースボール