就業体験した会社へDDoS攻撃、中国籍夫婦を逮捕…業務提携持ちかけるも実現せず
京都市内の会社に大量のデータをウェブサイトに送りつける「DDoS(ディードス)攻撃」を仕掛けたとして、京都府警サイバー捜査課は27日、中国籍の夫婦2人を電子計算機損壊等業務妨害の疑いで逮捕したと発表した。夫は容疑を否認し、妻は認めているという。
逮捕されたのは、いずれも京都市下京区、会社役員(35)と無職の妻(36)両容疑者。
発表では、2人は攻撃を代行する氏名不詳者と共謀し、9月2日、スポーツクラブの紹介サイトを運営する「アートム」(京都市中京区)のサーバーに大量のデータを送り、同社のサイトを数時間、閲覧できない状態にした疑い。攻撃は8~9月に計10回あり、同社が府警に被害を相談していた。
2人は仲介役を通じ、中国のSNS「WeChat」で実行役に攻撃を依頼。仲介役には1回につき約750元の報酬を支払ったとみられる。会社役員の容疑者は過去に就業体験で同社と関わったことがあり、攻撃に前後して同社に業務提携や資金提供を持ちかけたが実現しなかったといい、府警は利益を得るため同社への攻撃を依頼したとみている。
同社によると、被害を受けた8月にはサイトに表示される広告の契約が解約されることもあったといい、高橋修社長は「不安を感じた社員も大勢おり、怒りを感じる」と話した。