多汗症を切らずに治せるマイクロウェーブ治療「ミラドライ」 初診から施術の流れを解説
初診から施術の流れ
編集部: ミラドライの治療は、どのような流れで行われますか? 鴫原先生: 通常、まずは診察を行い、症状やお悩みをお聞きします。治療の日程は、医療機関によっては初診の際に治療を行うことが可能な場合もありますし、さまざまです。 編集部: 治療の流れを教えてください。 鴫原先生: 発汗する部位、体毛の位置、脇の大きさなどを参考にしながら、脇の下に照射位置をマーキングします。その後、脇の複数箇所に麻酔注射をします。5分くらいで麻酔の効果が現れたら、施術開始になります。 編集部: マイクロ波を照射するのですね。どれくらいの時間、照射するのですか? 鴫原先生: 体の大きさにもよりますが、大体、片側20~30分が目安になります。 編集部: ダウンタイムはどのようなものでしょうか? 鴫原先生: 治療後2~3日は腫れや痛みが出やすいので、アイスパックを脇の下にはさんで冷やすようにしましょう。 また、激しい運動は3日程度行わず、安静を心がけるようにしましょう。そのほかに気をつけることとして、治療当日は車の運転ができません。また飲酒も控えてください。 編集部: 仕事はいつから再開できますか? 鴫原先生: 治療直後に通常に近い生活に戻ることができるというのがミラドライのメリットです。基本的に、翌日からデスクワークであれば出社することも可能です。
治療における注意点
編集部: すぐに効果を実感できますか? 鴫原先生: みなさん、治療を受けてすぐに効果を実感されています。また効果が長期間持続するため、多くの方が一度で治療を完了できるというのもミラドライの特徴です。 編集部: 治療を受ける上で注意点を教えてください。 鴫原 康先生鴫原先生 ミラドライは非常に安全性が高く、効果も優れた治療法ですが、場合によっては一度で期待した効果を得られないこともあります。 その場合は、照射の位置がずれたり、照射レベルが適切でなかったりしたことが原因かもしれません。そのため、ミラドライの治療に習熟した医療機関を選ぶことが大切です。 編集部: 基本的には一度で満足できるのですか? 鴫原先生: はい。それがミラドライの長所です。しかし、効果の感じ方は人それぞれですし、また、そもそも患者さんの多汗症にも個人差がありますが、多くの場合、一度で治療を完了することができると思います。 編集部: そのほかに気をつける点はありますか? 鴫原先生: 医療機関によっては医師ではなく、看護師などのスタッフが治療を行うこともあります。しかし先述したように、ミラドライの効果を最大限実感していただくには、医師の技量が重要です。医師が治療を行っている医療機関を選ぶことをおすすめします。 現在、多汗症の治療に対して、ミラドライは保険適用となっていません。自由診療となるため、治療費についてはしっかり確認し、納得してから治療を受けるようにしましょう。 編集部: 費用は事前に確認が必要ですね。 鴫原先生: はい。医療機関によっては、最初から2回セットで料金を提示しているところもあります。しかし多くの場合、一度で満足感を得られるので、治療の効果を見て、必要であれば2回目を追加するという料金体系の方が良いと思います。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 鴫原先生: 私はミラドライの治療を行うまで、20年以上、従来の術式で多汗症治療の手術をしていました。患者さんには効果を実感していただいたと思いますが、その反面、脇の下に大きな傷をつくるのが医師としての悩みでもありました。 現在ではミラドライという新しい治療法により、患者さんへさらに満足度の高い治療をご提供できていることを、私自身もうれしく感じています。多汗症でお悩みの方は、ぜひ、ミラドライによる治療をご検討いただければと思います。