売春客待ち「ど派手」な場所なら敬遠する? 大阪・キタのホテル街、道路を黄色く塗装
売春目的の客待ち行為「立ちんぼ」が問題となっている大阪市北区太融寺町のホテル街で、地元住民や大阪府警曽根崎署が連携して道路を目立つ黄色に塗装し、客待ちしづらくさせる対策を進めている。10日には絵柄の貼り付けも完成。関係者らが〝ど派手〟化された現地を確認した。 同ホテル街では近年、女性の客待ちが目立ち、塗装前には10人以上が立っていることもあったという。府警はこの1年間で、客待ちをしていた約30人を売春防止法違反容疑で摘発した。 同署や地元住民らは、警察庁科学警察研究所からアドバイスを受け、目立つ場所を嫌がる人間の心理を利用した対策を計画。自発的によりよい選択に導く行動経済学の理論「ナッジ理論」に基づき、道路を塗装して客待ちを敬遠するような環境づくりを進めてきた。 アスファルトの路面を黄色く塗り、ラッコやカメ、魚が泳ぐ絵柄を貼って印象をがらっと変えた。矢印のように自然に移動してしまう心理を働かせる狙いから、いずれの絵柄も同じ方向へ泳ぐ姿となっている。 この日、現地を訪れた曽根崎防犯協会北野地区支部長の藤野雅文さんは「想像以上に素晴らしい。歩くと(立ち止まりづらく)背中を押される感覚があった」と絶賛した。 同研究所の島田貴仁・犯罪予防研究室長は「今までにない、全く新しいアプローチの対策。また1カ月後にどうなっているか確認し、検証していきたい」と話した。