実走60キロ! 1億円で落札された10台のみ別注されたメルセデス「SLRマクラーレン クラウンエディション」の中身は「722エディション」だった!
「722エディション」は150台限定モデル
そして2006年には、初の高性能バージョンとして「722エディション」が限定生産されることになった。「722」とは、スターリング・モスと彼のコ・ドライバーであったデニス・ジェンキンソンが1955年のミッレミリアで優勝したことにちなむもの。彼らの搭乗したメルセデス・ベンツ300SLRのゼッケンナンバーが、午前7時22分のスタートを意味する「722」だった。 722エディションは650psへのパワーアップ、ダンパーとエアロダイナミクスの改良など、標準車から多くのアップグレードが施されて、非常に人気が高かったものの、わずか150台しか生産されなかった。 しかし、722エディションと同じメカニズムとアップデートを共有しながら、さらにエクスクルーシブなSLRが存在した。 それが「SLRマクラーレン・クラウンエディション」だったのだ。
知られざるSLRマクラーレンの限定車、マーケットの評価はいかに?
正直なところ、筆者は寡聞にしてこの「SLRマクラーレン クラウンエディション」の存在すら知らなかったのだが、調べてみるとバーレーンの国王陛下がアラブの王族への贈り物としてオーダーしたものとのこと。 「クラウンエディション」は10台のみの限定製作で、生産ラインから選ばれた個体をベースに、アップグレードされたエンジン、カーボンファイバー製エアロパーツ、より硬いダンパー、19インチの軽量アルミホイールなど、722エディション仕様のフルパーツでアップグレードされたとのこと。ボディカラーは、シルバーやブラックなども存在したことがわかっている。 このほどボナムズ「Goodwood Festival of Speed」オークションに出品された、ワンオーナーのSLRマクラーレンは「クラウンエディション」の9台目。SLRとしては珍しい真紅のボディに、「シルバーアロー」らしい赤/黒レザーのインテリアがマッチした1台である。 もともと中東に行くはずだったのが選に漏れたのか、それとも当初から英国に留まる予定だったのかは不明ながら、マクラーレンの専用工場をラインオフして以来、このクルマはさるスーパーカー専門ディーラーが所有する、ブランドやジャンルをまたいで収集されたプライベートコレクションの一翼を担う存在として、これまで長らく静態展示されてきたとのことである。 近年になって、英国ノーフォークのロング・ストラットン近郊に本拠を構える、クラシックカーおよび近現代スポーツカーのスペシャリスト「ストラットン・モーター・カンパニー」によって、再び路上に乗り出すためのメンテナンスを施行。オークションで落札する次期オーナーがグランドツーリングにおける目覚しいポテンシャルを発揮する準備が整った、とボナムズ社のオークション公式ウェブカタログでは高らかにアピールされていた。
【関連記事】
- 【画像】10台限定! メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン クラウンエディション」を見る(全27枚)
- ◎別格ゆえに5億円! メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング・モス」の特別仕様カラーは新車時の約5倍の値段に
- ◎新車時より安い約4000万円! メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン」はいま手に入れておきたい優良物件です
- ◎マクラーレンとメルセデスのダブルネームの相場は8000万円前後? 150台限定の「SLR 722エディション」はこれからさらにプレ値がつく!?
- ◎マクラーレンとメルセデスのダブルネームの「SLR」なら8000万円オーバーの価値は十分にあり! 150台限定の「722エディション」なら安すぎる!?